2019年12月に「電力自由化 エルピオでんき(Lpio)に変えてみた」という記事を書いた。
題名の通り、これまでの東京電力の従量電灯Bというプランからエルピオでんき(Lpio)に切り替えたという内容である。実は、この後、エルピオでんき(Lpio)が2022年5月末で電力小売り事業からの撤退したため、そのタイミングでENEOSでんきに切り替えていた。その時は電力小売り会社(以下、会社と記載)の多くがが撤退を始めた時期であり、会社・プラン選択基準は、最安というよりも、比較的大きな会社で確実に従来の東京電力よりも安い、という基準でENEOSでんき 東京Vプランを選択した。
ところが、9月になってENEOSでんきが「2022年11月より燃料費調整額の上限を撤廃する」という発表を行ったため、再度、会社・プランの切替検討を行ったので以下に記載する。
【電気料金計算式】
通常、どの社も以下の計算式で電気料金が計算されている。
電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 + 燃料費調整額 + 再生エネルギー発電促進賦課金
更に各料金は以下で計算される。
- 基本料金:契約アンペアで決まる、使用量には依存しない一定金額
- 電力量料金:電気使用量帯域別の単価×使用量
- 燃料費調整額:燃料費調整単価×使用量
- 再生エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金):再エネ賦課金単価×使用量
「使用量」はその月の電力使用量で、単位は kWh、
燃料費調整額は、原油などの火力燃料の価格変動を電気料金に反映させるために導入された調整額で、単価は居住エリア(東京電力エリアなど)毎に決められ毎月変動するもので、会社には依存しないが、会社・プランによっては、燃料費調整額がなかったり、単価に上限を設けているものもある。
再生エネルギー発電促進賦課金は、太陽光や風力発電などを支援するために、全ての電力使用者に課金されているもので、会社やプランに依存しない。従って、会社・プラン間で料金の大小を比較する場合は無視しても良い。
電力量料金の計算例を以下に示す。ポイントは、使用帯域によって単価が異なることで、ほとんどの電力会社で、120と300を境とした3段階の単価を採用している。
東京電力の従量電灯Bで1月に400kWhを使用した場合
使用帯(kWh) |
単価(円/kWh) |
金額(円) |
計算式 |
0 ~ 120 |
19.88 |
2,385.6 |
= 19.88 × 120 |
120 ~ 300 |
26.48 |
4,766.4 |
= 26.48 × (300 - 120) |
300 ~ |
30.57 |
3,057.0 |
= 30.57 × (400 - 300) |
合計 |
|
10,209.0 |
|
【昨今の電力料金上昇について】
今年になって、ウクライナ情勢などで輸入燃料が急激に高騰しており、各社では、事業からの撤退や燃料費調整単価の上限の撤廃を行っている。
燃料費調整単価の推移(出典:新電力ネット)
【会社・プランの切替検討】
これからが本題である。
上表のように、最近の燃料費調整単価アップは半端ではなく、このような状況下では、会社・プランの切替を検討する場合は、燃料費調整額自体がなかったり、燃料費調整単価に上限があるものが断然有利になる。
具体的には、東京電力エリアでは以下がある。
なお、自分のエリアの電気料金を比較するのは、エネチェンジのサイトがお勧めである。実は、私がアクアエナジー100の存在を知ったのもこのサイトである。
以下が、エネチェンジで、私の条件(2人世帯、10月の使用量350kWhなど)で比較した結果の全48件中安いものから4件である。(11月4日時点)
- プランの絞り込みで「エネチェンジがサポート」のチェックを外さないとアクアエナジー100は表示されないので注意。
- 表示されている金額は、私の現行プラン(ENEOSでんき 東京Vプラン)からの差額である。
- 何故か東京電力の従量電灯Bは比較対象として表示されない。
詳細の計算ロジックは不明であるが、見ての通り、アクアエナジー100 が断トツで1位である。
自分自身で検証するため、Excelで電気料金の比較表を作成した。(記事の最後でダウンロード用URLを公開)
対象にしたプランは以下で、エネチェンジで上位に挙がったものに東京電力の従量電灯BとENEOSでんき 東京Vプラン を加えたものである。
電気料金比較表(東京電力エリアで40Aの場合、他の前提は表内の上部を参照)
私の条件では、以下のことが言える。
- 東京電力の従量電灯Bとアクアエナジー100を比較した場合、燃料費調整単価 >= 5.13 の条件では、月の使用量が 243.2kWh以上であればアクアエナジー100の方が安い
- アクアエナジー100とシン・エナジー【昼】生活フィットプラン を比較した場合、燃料費調整単価が以下のグラフの青線より大きい場合、アクアエナジー100の方が安くなる。このことから、シン・エナジーは、燃料費調整単価が高くても使用量が少ない場合には検討の価値があると言える。またシン・エナジーでは、【夜】プランもあり、自身の生活パターンに合わせたプランを選択するともっと削減できるかも知れない。
上記の結果をグラフ化してみた。薄い青の領域で アクアエナジー100 が最安となる。
【アクアエナジー100の申し込み】
上記の検討を経て、アクアエナジー100 を申し込むことにした。
従量電灯Bと異なり、申込みはWebで完結し、現在の契約会社への連絡も不要である。
私の場合、10/23に申込み、11/10に切替予定である。
なお、日経新聞の記事などによると、東京電力は2023年春を 目途に、一般家庭向けの規制料金の引き上げを検討する方針を固めたとのことである。規制料金とは、電力自由化以前から提供されている電気料金プランのことで東京電力の従量電灯Bなどが該当する。先に記載したように、従量電灯B は燃料費調整単価に上限が設定されているが、これらの価格体系は法的に定められているので電力会社の判断で勝手に変えることはできない。だがついに、国に申請してその値上げを目指すとのことだ。
恐らく、アクアエナジー100の料金体系も変わるものと思われる。
そして、最安の会社・プラン探しの旅は今後も続く・・・・
【電気料金比較表のダウンロード】
以下のリンクからダウンロード可能である。
ダウンロード - table.xls
以下、注意事項である。
- 3シート構成になっており、1シート目が比較表、2, 3シート目が各種単価である。
- 値は東京電力エリアのものを使用しているので、他エリアの方は単価などの値は適宜修正していただきたい。
- 記載の値や計算式に間違いがあっても一切補償できないので自己責任で利用していただきたい。
では
【2023年1月7日追記】
アクアエナジー100 に契約した後の小ネタを記事にした。興味のある方は以下をクリック。
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