RECBOXのハードディスクを換装した ~ 今度は HVL-A2.0
以前、RECBOX HVL-AV500(SP) のハードディスクを 1.5TBに換装した話を書いた。
RECBOXのハードディスクを換装した(その1)、(その2)、(その3)
今回、たまたま、HVL-A2.0 を手に入れ、ハードディスクを2TBから4TBに換装したので、その内容を記録に残しておく。
HVL-AV500(SP)の換装の際は(以下、前回と記載)、クローンハードディスクの作成(ハードディスクのイメージ取り出し/復元)には Clonezilla、パーティション操作には GParted という ツール(OSS)を使用したので、今回も同じツールで簡単にできるとたかをくくっていたのであるが、そうは問屋が卸さなかった。
この記事では、今回実施した流れを失敗も含め以下に記す。
なお、上記ツールの具体的操作方法については前回と同じなので今回は省略する。
1. ツールの最新版のダウンロード
各ツールのサイトのダウンロードページから、それぞれの以下のバージョンのisoファイルをダウンロードして CD/DVD に焼き起動メディアを作成した。
・Clonezilla live version: 2.8.1-12 amd64
・Clonezilla live version: 20220103-impish amd64
Clonezilla は 上記2バージョンを試したが後述のようにどちらもうまくいかなかった。
・gparted-live-1.3.1-1-amd64
2. HVL-A2.0 からハードディスクの抜き取り
以下の要領で行った。
- 底面の背面側の脚ゴムの2つを、先の細いドライバなどを挿し込んで外しネジ頭を露出させる。(粘着剤で付いているだけなので、再度押し付ければ粘着可能)
- 現れたネジ2つと底面の前面側のネジ1つを外す。
- 薄いプラスティック板などを隙間に挿し込んで上蓋を外す。(背面側からやった方が楽に外せた。)
- ハードディスクの両側のネジを外す。
右側面はハードディスクを直接留めているネジ2つ。(下の黄色部分)
左側面は上に向いているネジ1つ(下の黄色部分)を外せば、赤矢印で示したネジと金具は外さなくてもハードディスクは取り外せる。
- ハードディスクを手前側(矢印方向)にずらして、SATAの接続口(黄色枠)から外した後、ハードディスクを上方に取り外す。
3. オリジナルハードディスクのパーティション確認
HVL-A2.0 から取り出した ハードディスク(Seagate ST2000DM001)のパーティション構成を GParted を使って確認した。2TBだがGPTで構成されているので、2TB超のハードディスクにクローンして、そのまま拡張できる。
4. クローンハードディスクの作成
Clonezilla を使って オリジナルハードディスクのイメージを一旦別のハードディスク上に取り出した後、4TBのクローン用ハードディスク(WD WD40EZRZ)上に復元する。
なお、前回は、取り出し操作の途中で Cntl-C で強制終了させたが、今回は勝手に止まった。
復元後のクローンハードディスクのパーティションは以下となった。
5. HVL-A2.0 に組み込んで動作確認 ==> 失敗
この後、クローンハードディスクのパーティションを操作してから HVL-A2.0 に組み込んで完成、となるのであるが、今回は ここでパーティション操作をする/しないに関係なく、HVL-A2.0 が立ち上がらなかった。
具体的には、電源ON後、すぐに赤ランプが点灯して(下の写真の黄色矢印)ブザーが鳴って停止し、I/Oデータのツール MagicFinder でも見つからず、IPアドレスを直打ちしても反応しない、という全くのお手上げ状態となった。
原因はよくわからないが、オリジナルのハードディスクとクローンハードディスクのパーティション構成を比べると、1, 2, 5, 6番目のファイルシステムが、前者は 「linux-raid」 になっているのに対し、後者は「不明」となっており、明らかに異なっている。(完全な復元ができていない。)
前回の作業記録を見直してみると、そもそもオリジナルのハードディスクにファイルシステムが「不明」のパーティションが存在していたが、前回はそれを含め、クローンハードディスクに復元できている。
ということで、別のクローン手段を考えることにした。
6. クローンハードディスクの作成(リトライ)
そこで思いついたのが、数年前にメルカリで2,000円くらいで購入した WAVLINK HDDスタンドである。
これまで、ほとんど使っていなかったのだが、クローン機能があることを思い出し、付属の簡易マニュアルを見てクローンに挑戦してみた。
最初はマニュアル通りに操作しても全くクローン処理が始まらず「不良品を掴まされたか」と焦ったのだが、「WAVLINKで HDDクローン作成のやり方」というブログ記事を見て、操作の「クセ」が判り無事クローンが完了した。(所要時間は2TBで4~5時間程度)
クローン後のパーティション(以下)を見てみると、ほぼ再現されていた。なかなかやるじゃないか、WavLink!!
「ほぼ」と書いたのは、6番目のパーティションのファイルシステムが、オリジナルは linux-raid になっているのに対し、クローンの方は xfs となっている。しかし、前回も 6番目のファイルシステム(これが Gpartedでの拡張対象でもある)は xfs だったので、これで問題ないように思える。
7. パーティション容量の拡張
Gparted での操作を簡単に記載する。
- 6番目のパーティションを選択して、「パーティション」 → 「リサイズ/移動」 を選択
- 「リサイズ/移動」 画面で、マウスで領域を右端一杯まで引き伸ばし、「リサイズ/移動」ボタンを押下
- 「編集」 → 「保留中の全ての操作を適用する」 で実際の拡張操作を実行して完了
8. HVL-A2.0 に組み込んで動作確認(リトライ)
再度、HVL-A2.0 に組み込んで電源を投入。今度は先ほどと異なり、かなり時間がたってから赤ランプが点灯した。
この場合はMagicFinder で検出できるので、そこからシステム画面を開いてみる。
内蔵HDD も「未使用」と表示されるが、システム初期化を行えば無事に内蔵HDDが復活し4TBと認識された。
では。
【2022年11月12日追記】
最近、HVL-ATAシリーズのHVL-AT3.0Aを入手したが、分解の方法は本記事に記載したHVL-Aシリーズと全く同じである。恐らく、AVL-ATシリーズも同じと思われる。
これらは、中の基盤もほとんど同じであるが、HVL-AT や HVL-ATA シリーズには、動画をハードウェアで圧縮するためのトランスコーダが内蔵されている。
では。
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