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2015年7月の記事

2015年7月 5日 (日)

70cmの折りたたみ傘、みたび ~丈夫な傘を求めて~

70cmの折りたたみ傘については、これまでに何回か購入し3回記事を書いた。

  1. Waterfront の傘
  2. Waterfront の傘(その2 壊れたので修理してみた)
  3. 70cmの折りたたみ傘、ふたたび

 
その経験から言えるのが「大きな折りたたみ傘は壊れやすい」である。

今回の記事では、以下の話題に触れてみる。

  • これまで購入し壊してきた履歴を整理
  • 最近買った、丈夫さが「売り」の傘の紹介
  • 修理のまねごとをやってみたので、その紹介

 
まず、本題に入る前に傘の部品の呼び名を統一しておく。
これまで私が購入した大きな折りたたみ傘は全て3段に折りたたむ形式であるが、その構造はN型と逆N型(これは、私が勝手に名付けたので他所で言わないように ・・・ )の2種類に分かれる。すなわち、3つ折りにした際に、傘の露先(先親骨の先端)が取っ手側にくるのが逆N型、上ろくろ側にくるのがN型である。
また、この記事では、各部品を下図のように呼ぶことにする。

70cm_001
70cm_002

 
また、中棒と記した傘の中心の棒は、折り畳み傘では径の違う複数の中棒で構成され伸縮する仕組みになっているが、取っ手側が一番太くなっている「A型」と、上ろくろ側が一番太くなっている「V型」の2種類がある。(これも私が勝手に名付けた。) 

一般的には、中棒にかかる力は上ろくろ側の方が大きいので、その点では、V型の方が理に適っている。ドイツKnirps(クニルプス)の傘の通販サイトの説明にも

「通常の折りたたみ傘の場合は、柄が傘の先端にむかって、段々と直径が細くなっている構造を取りますが、Kinirpsは逆。傘の先端にいくほど直径を太くし、ハンドルに近くなるにつれて細くなる構造です。傘を開いたとき、力は傘の上部に集中しますから、この部分を太くすることによって、より耐久性の高い構造となるのです。」

と誇らしげにV型のメリットが書かれているが、後述するように Waterfront の傘も V型である。


さて、それでは本題に入る。
前回の記事「70cmの折りたたみ傘、ふたたび」では、Waterfront の親骨70cm×7本の傘が壊れ、ドンキで Gae bolgという 70cm×8本の傘を買った話を書いた。この傘は N・A型だったが、その後の使用で中棒が先の方でポッキリ折れてしまった。まさに、A型の弱点が証明された形だ。

 折れた中棒。素材はアルミと思われる
 
70cm_003

 
「やはり70cmは壊れやすい」と悟り、次に購入したのが ドンキの60cm×8本の折りたたみ傘(逆N・A型)。
値段は1000円くらいで、「BIG60cm&STRONG」「軽量 撥水加工」のシールが貼られており確かに非常に軽かったが、これもしばらく使っているうちに、元親骨が完全に折れ、中親骨との関節も外れてしまった。

 折れた元親骨。これも素材はアルミ
 70cm_004

 

この後に買ったのが、なかなか巡り合えなかった Waterfrontの 70cm×6本の傘(税抜1,000円)である。(逆N・V型)
70cmで親骨が6本というのは強度的にはどうよ、と前回の記事でも書いたのだが ・・・・

予想は的中し、これも風の強いときに、元親骨が、何のために開いているのかよく判らない穴から破断しねじれてしまった。

 破断する前
 
70cm_005

 意図不明の穴から破断
 70cm_006

 70cm_007

 
仕方がないので、今度は、webで頑丈さが売りの70cmの折りたたみ傘を探してみた。
すると、確かに「丈夫」などと書かれたものはあるが、レビューを見ると「すぐに壊れた」というのが載っていたりで今一つ信用できない。
そうこうしているうちにやっと決定版を見つけた。なんと、あの waterfront が「丈夫な傘シリーズ」を出していたのだ。 NOUVEAU/ヌウボーのオンラインショップ

なかでも大型のものは、

の2つで、どちらも 2,000円(税抜き)。
前者はUVカットなどの付加機能はあるが、やはりここは70cmへのこだわりと「富山サンダー」という名前に魅かれて、後者を買うことにした。
ちなみに「富山サンダー」というのは「冬に水分を多く含んだ重たい雪に苦しむ富山県民のために開発した」ということらしいが、この柔道一直線(古ッ )にでてくる技ばりの大袈裟なネーミングセンスもなかなかイカしている
ちょうど LOHACO で送料無料&初めての人は300円引きで売っていたので即買いした。

 上:プレミアム富山サンダー Big70cm折(SHU'S ブランド)
 下:waterfronf 親骨70cm×6本
 
70cm_008

写真を見てもわかるように、従来の同社の70cmの傘に比べても太くて重い(重さは1.7倍
私は常備傘として鞄にいつも入れているが、腕の筋トレにもお勧めである

 
さて、早速、到着したプレミアム富山サンダー Big70cm折(以下、「富山サンダー」)の構造を見てみる。

 開いたところ。逆N・V型と判明
 
70cm_009

 骨は全てFRP
 
70cm_010

 関節のリベットも丈夫そうに見える
 
70cm_011

 最も破損しやすい元親骨の比較
 従来(下)のアルミに比べ堅牢感がハンパない
 
70cm_012

 70cm_013

 
ここで、参考までにこれまでに私が購入した傘を、購入順に表にしてみた。

  • 重量は私による簡易測定値
  • 素材は、見た目で樹脂のものは「FRP」、金属で磁石につくものは「ステン」(実は鉄かも)、つかないものは「アルミ」とした
  • 破損に関連する個所はピンクの背景色とした
                                                                                                         
メーカー/ブランド(購入店) 親骨
長さ(cm)
×本数
重量(g) 素材(多分) 破損個所
中棒 受け骨 元親骨 中親骨 先親骨
1 waterfront 70×7 N・V 320 アルミ ステン ステン FRP FRP 受け骨関節
中棒留め金
2 Gae bolg(ドンキ) 70×8 N・A 310 アルミ アルミ アルミ FRP FRP 中棒折れ
3 ?(ドンキ) 60×8 逆N・A 240 アルミ アルミ アルミ アルミ FRP 元親骨折れ
4 waterfront 70×6 逆N・V 270 アルミ ステン アルミ FRP FRP 元親骨ねじれ
5 富山サンダー 70×8 逆N・V 450 ステン FRP FRP FRP FRP  

 
この表を見ればアルミが耐久性がないことは一目瞭然である。
富山サンダーは、まだ10回くらいしか使っていないので謳い文句に見合った耐久性が実際にあるかはまだ不明であるが、これまでのものとは違い、中棒がステン(or 鉄)、骨が all FRP ということで期待大である。
今後の経過は、また機会があれば、記事にしようと思う。

 
最後に、これまで壊れた傘の修理に挑戦した話を書いておく。
買った道具は、和気産業の傘修理セットとステンレスの針金。

 傘修理セット BK-307
 
70cm_014

この手の修理セットでは中棒の補修はできないので、対応できるのは上表のNo3, 4だけである。

まず3のドンキの60cmに挑戦。
補修方法は、折れた部分をギブスのような金具で結合して固定するだけの原始的なもの。金具の出っ張った部分折り込むためにラジオペンチは必須である。

 まず一端を固定
 
70cm_015

 続いて、もう一方を固定
 
70cm_016

 関節部はステンの針金で固定
 
70cm_017 

 
これで完了と思って傘を広げたところ、受け骨が金具と干渉し破断

 70cm_018

このように関節のすぐ近くで折れてしまうと私では手に負えず、やむなく廃棄となった。

次に、4の waterfront 70cmに挑戦。
3と同じようにやろうとしたのだが、元親骨の径が大きすぎて、それに合う金具がない。ダメ元で金具を骨の内側にはめ込み瞬間接着剤で固定してみることにした。

 70cm_019

補強のため、2ヶ所をステンの針金で固定した。

 70cm_020

一般に傘は、受け骨や親骨の断面がU字型の形状をしており、たたんだ時に骨が重なって小さく(細く)折りたためるようになっているが、今回はU字型の開口部を塞ぐ形で補修したので、金具が干渉して、たたんだ時にその部分だけ膨れてしまった。

結局、今回は見た目でも強度面でもいまいちの結果となり、いつ実際に使うかは未定であるが、いつかは(富山サンダーが壊れてから?)試してみたいと思う。

では。

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