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2014年5月の記事

2014年5月31日 (土)

PCを自作した その2 ~ 組立編

前回の パーツ購入編 に続き組立編である。(各パーツ別の写真や価格についてはパーツ購入編を参照)

まずは大物の、ケース(ZALMAN Z3 Plus)を箱から取り出してみた。
すると、コロコロと黒い物体が転げ出た。いきなり、イヤな予感 ・・・・
よく見るとケースの脚の1つが外れていたようだ。ケースはスチール製であるが、脚はプラスチック製で4本のツメが付いており、それをケースの穴に挿し込んで留めるようになっている。
ところが、外れた脚を見ると、なんとツメが2本欠けており、これではすぐに外れてしまう。(ちなみに、ZALMANのwebサイトの商品説明には「すべり止めと防振、騒音低減のためにゴム足を装着」と書かれているが、一切弾力性のない単なるプラスチックである ・・・

 ツメが破損した脚
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とりあえず、購入したツクモにメールで状況を説明したところ、翌日には宅配便で脚を送付してくれた。さすがは、ツクモ

ただ、このケースの脚の作りはそもそも脆弱なようで、この後の組立時に、ケースを立てたり横にしたりしているうちに、また別の脚のツメが破損してしまった。さすがに、今度はツクモにも泣きつけず ・・・ (

実は私の場合、以下の理由から別にゴム脚を購入したので実際には前方の脚は使っていないのだが、いずれにせよ Z3 Plusの脚には要注意だ

PC本体は、キャスターが付いたパソコン机の下のラックに収納するのであるが、そのラックの床面の奥行が 36cmしかなくケース(奥行44cm)の前面がはみ出てしまう。昔のPCであれば、ケースの底面はフラットだったので少々はみ出ても問題なかったが、Z3 Plusを含め最近のケースでは底面に電源の吸気口があり四隅の脚でケースを浮かせる構造になっており、そのまま設置すると前方の脚が床面からはみ出てしまう。

そのために、ホームセンターでゴム製の脚を買ってきて、ケースの前方から10数cmの位置に張り付けることで対応した。(要は6本脚にしたということ)

 ゴム脚 iteck Hikari KG-280
 
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また、なるべく、前面側にはみ出る長さを抑えるため、L字型の電源ケーブル(アイネックス ACP-15L-BK)を購入して極力背面側の空間を狭めた。ツクモの店舗で相談した時は「電源のソケット形状はメーカー独自なので汎用の電源コードは売っていない」と言われたのだが、私が購入した電源「剛力短2プラグイン」は、このアイネックスのソケット形状と同一だった。

 アイネックス ACP-15L-BK
 
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さて、前置きが長くなったが、私が行った組立て作業を順に写真で紹介する。

ケースの側面、前面カバーを取り外す。

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マザーボードのバックパネルを装着。

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次に追加のケースファンを装着する。
ZALMAN Z3 Plusは安価にもかかわらず、標準で、前面に1つ、上面に2つ、背面に1つ、合計4つの12cmファンが標準でついている。このうち、背面ファンの電源端子は旧式(大型)のペリフェラル4ピンコネクタ、他の3つのファンは通常のファン用の3pinコネクタとなっている。私がこれまで使っていたケースには背面ファンが1つあるだけで、正直これまでファンには全く関心がなかったのだが、

  • 標準で4つのファンが付いてきた(いきなり 4倍)
  • ケースに標準でファンコントローラも付属(最大2つのファンに対し高低の2段階切替が可能。端子は3pin)
  • 新しいマザーボード ASUS H87-PRO ではCPUファン以外に3系統のファンの制御が可能

ということで、(たいして熱を気にするほどの構成ではないとは判っていながら)今回関心を持ってしまった。

まずは、前面には標準のファンが1つしかなく、何故かハードディスクを冷やす位置ではない、ということから、前面に1つ追加購入することにした。H87-PRO が PWM制御ができることから、価格コムで評判の良かった GELID Silent12 PWM を選択。

 GELID Silent12 PWM
 Newpc_012

製品自体はいたって普通なのであるが、ネジは付属しておらず、代わりに 防振ラバーブッシュというゴム製の部品が付いている。実は、これが私にとってはなかなか曲者であった
説明書は付属していないので、初心者には、まずこの防振ラバーブッシュをどうやって取り付けるのかが解らない。それでも、ファン本体への取り付け方は Youtubeを見てすぐに解ったのだが、ケース本体への取り付け方が解らない。最初はゴムなので何とかなるかと思って無理やりネジ穴に押し込んでみたのだが、Z3 PLUS の前面ファンのネジ穴が小さ過ぎてラバーの先っぽすら入らない。

結局、ラバーブッシュを細く削って何とか押し込んだのだが、それでもケースのネジ穴の周りの鉄板(少し突起させてある)が大きく変形してしまった。後で考えると、ラバーブッシュにこだわらず、ケース付属のファン用ネジを使用すべきであったが、後の祭りである  

 削って細くしたラバーブッシュ
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やっとの思いで装着完了(左下の写真の下側のファン。)。 合わせて、BDドライブとカードリーダも装着した。

 Newpc_105 Newpc_018

話が前後するが、ここでファンの話をまとめて書いておく。

上記のファンの構成で一旦最後まで組立てたのだが、ケースの前面カバーの下部が完全に閉まらない(少し浮いてしまう)状態であった。これは、GELID Silent12 PWMが標準の 25mm厚であるのに加え、ラバーブッシュ装着のためケースとの間に隙間ができ、その分更に厚くなっているのが原因のようだ。
対策として、薄型(15mm厚)の AKASA PWM AK-FN07 を追加購入して前面下側に取り付け、GELID Silent12 PWMは背面ファンとして活用することにした。(ケース標準の背面ファンは予備在庫へ)

 AKASA PWM AK-FN07
 Newpc_016

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ファン制御は全てマザーボードによる制御とし、以下の構成とした。

  • 系統1:背面(GELID Silent12 PWM)
  • 系統2:上面(ケース標準ファン×2)
  • 系統3:前面(ケース標準のLEDファン、AKASA PWM AK-FN07)

なお、系統2, 3では、それぞれ2つずつのファンを制御する必要があるため、アイネックスのファン用二股電源ケーブルを購入した。

 WA-084A(3pin用:系統2) と WA-095(4pin用:系統3)
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ASUS H87-PROには ファン制御ソフト Fan Xpert2 が付属しており、ファンの回転数をカスタマイズできる。私の場合は、まだ自動設定のまま使用しているが、私の通常の使い方(webを見る程度)では、上面ファンは停止、前背面ファンも 30~50%くらいの稼働で、全くの無音である。

 ASUSのファン制御ソフト Fan Xpert2 での表示
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話を組立て作業に戻す。

マザーボードにCPU(i5 4440)と付属のCPUファン、メモリ 2枚を装着。静電気にさえ気を付ければ作業自体は簡単である。

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マザーボードと電源をケースに装着。

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SSDとハードディスクを装着してすべて結線。
フロントパネルから出ているコネクタをシステムパネルコネクタに接続する際に、マニュアルに LEDの極性が書かれていなかったので迷ったが、ASUSのFAQ(下図)で解決した。

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一応、できる限り裏配線に挑戦してみた。

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カバーをして完成 

Newpc_110 Newpc_111

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まだ、使い始めて半月くらいであるが、とりあえず現時点での印象を列記してみる。

  1. Winodw8.1 は最初は戸惑ったが、スタートメニューなどを昔に戻せる定番フリーソフト Classic Shell をインストールしたのと、Winodwsキーの使い方が解ってきたので、ほぼ 違和感なく使えるようになった。
  2. 当たり前だが、10年前の WinodwsXP PCに比べ、全体のレスポンスと静音性は格段に向上した。(音はほぼ無音、PCの立上げは20秒程度に激減。後者には、SSDの導入効果も大きいかもしれない。) でもよく考えてみると、旧PCを導入した時も同じ感動をした記憶が ・・・
  3. 購入したパーツは定番品を選んだけあって、どれもハズレのない印象。強いて挙げれば、ケースが通気性重視志向の為ファンを含め開口部が多く埃の吸い込みが気になることくらいで、現在、換気扇用のフィルターを開口部に貼って様子を見ている。
 
また、ソフトウェアの互換性については、全体的には思ったより使えそうな印象で、私が気になっていたソフトについては以下の結果であった。(まだ、「検証した」と言えるほど使い込んではいないが ・・・ )
  • Office 2000(Excel): webの情報通り、オートコンプリート機能を無効にすれば使えそう
  • はがきスタジオ2001: とっくに販売を中止したMSの年賀状ソフトだが私は未だに愛用。これが使えなくなると、新しいソフトへ移行するのが面倒くさいと内心心配していたが、ちょっと試した限りでは使えそう
  • TVTest、TVRock: 以前の記事「地デジチューナー KTV-FSUSB2 を買ってみた」で紹介した地デジ視聴録画ソフト。KTV-FSUSB2 とのコンビは健在。
  • ドコモ謹製 datalink: ガラケー(Foma)の電話帳などの編集、通信ソフト。更新は頻繁に行われているのだが、まさかの8.1未対応。起動出来ず ・・・
  • エクスプローラ拡張メニュー: Mt.Wideさん作成のエクスプローラを拡張するためのフリーソフト。私は1997年(当時はシェアウェア)から愛用しており、今まで手放せなかった一品(会社のPCにもコッソリ入れている ・・・ )。残念ながら 64bit未対応のようで動作せず。代わりとして、FileMenu Tools を試用中。

 
記事の最後にベンチマーク結果を掲載する。

 SSD: crucial CT120M500SSD1.PK01
 
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 ハードディスク: 東芝 DT01ACA200
 
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では。

 
【2014年8月16日追記】
この後、前面のUSB3.0ポートの不調問題発生。興味のある方はこちらの記事へ。

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2014年5月24日 (土)

PCを自作した その1 ~ パーツ購入編

私のメインPCは、10年近く前に、BTO PCショップ サイコムの組立キットで構築した WindowsXPマシンである。組立キットというのは、パーツを選んで購入し自分で組み上げるものであるが、パーツの選択肢が制限される代わりにサイコムの方で動作保障(相性保障)をしてくれるというものである。
 
WindowsXP のサポートが切れたのも困った問題であるが、もっと切実な問題として、この10年で色々なソフトをインストールしたりOSをアップデートした結果、立上げや立下げに耐え難いほどの時間がかかるようになってしまっていた ・・・・ と、いうことで、一念発起して、このGWにメインPCを全面更新することにした。
 
購入方針としては以下とした。
  • OSは 互換性の高いWinodws7 か 最新のWindows8.1 かで迷ったが、ソフトの互換性はどうせやってみないとわからないので、思い切って Windows8.1 64bit版とする
  • コスパを優先し、極端な高性能は求めない(CPUは i5 4440レベル、グラフィックスはCPU内蔵、メモリは8GB、電源は500Wクラス)
  • 今持っていない、BDドライブとソフトはこれを機会に導入する
  • HDDは新たに最低1TBのものを購入する
  • 総額10万円以下とする(デスクトップ本体のみ。モニターは現在のものを継続使用)
まず、どういう形で購入するかであるが、コスパ優先ということで BTOメーカーとショップの商品ラインナップを調べてみた。
どこも商品シリーズを数パターンは持っているが、ミドルタワーでCPUはi5の4440か4570、グラフィックスはCPU内蔵となると、大抵1シリーズに絞られる。
BTOで外すことができるパーツで、別途購入した方が安いものは個別に購入することを前提に、各ショップのwebサイトで一式を見積もってみた。調べた店は以下である。
私が調べた結果は上記の順で安く、最安のワンズが8万円強、サイコムで9.2万円くらいであった(送料込み)。
ただし、CPUが 4440 と 4570 で混在していたり、安い店ほどマザーボード、メモリ、電源、ケースのメーカーや型番が不明であり、また、サポートや納期はショップによってまちまちといった差異があるので、最終決定をするに当たっては総合的に判断する必要がある。
私自身はこの時点ではサイコムが最有力候補であった。
 
最後に、自分で全て個別に揃える場合の金額を試算してみた。その際、各パーツは価格コムのベスト5以内に入っている"手堅い"製品とした。
結果は ・・・・ なんと最安の 7.5万円    それも定番のパーツを集めての結果である。
ということで、今回は、初めての完全自作に挑戦することになった。
 
早速、GW前半に以下を買い集めた。(上記 web見積り前提に対し、120GBのSSDを追加し、HDD容量は2TBとした。)
 
No 種類 製品 購入店 価格(税・送料込み)
1 OS Windows 8.1 64bit DSP版 あきばお~(店舗) 11,394
2 CPU Core i5 4440 BOX ツクモ(店舗) 20,066
3 メモリ CFD W3U1600HQ-4G [DDR3 PC3-12800 4GB 2枚組] ツクモ(ネット) 9,180
4 HDD 東芝 DT01ACA200 [2TB SATA600 7200] ツクモ(店舗) 7,981
5 SSD crucial CT120M500SSD1.PK01 ツクモ(ネット) 8,402
6 BDドライブ LGエレクトロニクス BH14NS48 BL バルク [付属ソフトあり] ツクモ(店舗) 6,912
7 マザーボード ASUS H87-PRO ツクモ(店舗) 8,480
8 電源 サイズ 剛力短2プラグイン SPGT2-500P/A ツクモ(ネット) 6,163
9 ケース ZALMAN Z3 Plus ツクモ(ネット) 4,450
10 カードリーダ リンクス SFD-321F/T81UEJR [内蔵USB 30in1] あきばお~(店舗) 2,484
11 ケースファン GELID Silent12 PWM ヨドバシ(ネット) 926
12 ケースファン(薄型) AKASA アイネックス Slimfan 120mm PWM AK-FN07 ヨドバシ(店舗) 1,000
13 ファン用二股電源ケーブル 3pin アイネックス ファン用二股電源ケーブル WA-084A ヨドバシ(店舗) 288
14 ファン用二股電源ケーブル 4pin アイネックス ファン用二股電源ケーブル WA-095 ツクモ(店舗) 300
15 L字型電源コード アイネックス AC電源ケーブル 極細L型タイプ ACP-15L-BK amazon 654
16 SATA3ケーブル ノーブランド 2個 ケーアイトレーディング(Yahooショッピング)
640
17 脚ゴム iteck Hikari KG-280(4個セット) コーナン(店舗) 203
合計 89,523
 
この中でNo9までが必須のパーツで合計 8.3万円、それ以降は後で事情により付け足したもので総合計で 89,523円となった。(「事情」については、組立編で触れるつもり)
 
以下に買ったパーツを並べてみる。
 
 OS:思い切って Windows8.1 64bit DSP版
 Newpc_001
 
 CPU:現実的な落としどころ i5 4440

 Newpc_008

 
 メモリ:価格コムでNo1の CFD W3U1600HQ-4G×2(計8GB)
 

Newpc_002



 HDD:消去法で東芝 DT01ACA200(2TB)
 Newpc_005
 
 SSD:SSD初心者ということで手頃価格の crucial 120GB
 Newpc_003
 
 BDドライブ:価格優先でLDのバルク(ソフト付き)
 Newpc_006
 
 マザーボード:価格コムでNo1の ASUS H87-PRO
 Newpc_007
 
 電源:Haswell対応で手頃価格の サイズ 剛力短2プラグイン 500W
 Newpc_004
 
 ケース:価格、デザイン、ファン数で文句なく ZALMAN Z3 Plus
 なんと、箱が2重梱包で配達されてきた(下の写真は外箱)
 Newpc_010
 
 Newpc_011
 
 カードリーダ:前面にUSB3端子が欲しくて購入(Z3 Plusは上面)
 Newpc_009
 
 ケースファン:標準厚と薄型
 Newpc_012 Newpc_016
 
 ファン用二股電源ケーブル:3pin用と4pin用
 Newpc_015
 
 L字型電源コード:標準の電源コードではラックのフレームと干渉するため購入
 Newpc_013
 
 SATA3ケーブル:マザーボードには2本付属していたが、手持ちのものが6G対応か疑わしいので追加で購入
 Newpc_014
 
 ゴム脚:ケースの脚として購入
 Newpc_019
 
以上のパーツを一気に買い集め、GW後半で組み上げを行った ==> 組立編に続く
 

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