ソフトキャリーバッグのキャスター修理 ~ たぶん完結編
もう4年以上前になるが、キャリーバッグのキャスター修理の記事「ソフトキャリーバッグのキャスター修理」を書いた。
劣化して表面のゴムが剥離したキャスターにゴムベルトを接着剤で貼り付けて補修したという記事であるが、その後 komaさんからエポキシパテで補修する方法をご提示いただき、その後試された人の話などを総合的に判断すると、現時点ではエポキシパテ方式が最善の補修方法ではないかと思っている。
私の問題のキャリーバッグ(メーカーは Ricardo Beverly Hills)は、ゴムベルトで補修してから 1泊の研修に使用しただけで(その時は問題なし)、それ以降使う機会がなかったのだが、つい最近、嫁さんが3泊の海外旅行に連れていった。
結果は・・・・ なんと、羽田に着くまでに両輪とも剥離したとのこと 。
使い方が荒すぎるんだろ とツッコミたい気持ちはあるのだが、やはりゴムベルトは弾性が大きいため長く持たせるのは難しいようだ。
さて、次はどうやって補修するかであるが ・・・・
当然、エポキシパテが真っ先に頭に浮かんだのであるが、「どうせやるのなら」ということでもっと根本的な補修であるキャスター(車輪)の交換を考えてみた。たしか4年前の時にも同じことを考えたものの、下の写真のように、車輪を固定しているタイヤハウスは樹脂のような素材でできているのだが、キャスターの車軸が片側(外側)しか露出しておらず、それもネジではないので分解はハードルが高いと判断し、一瞬で諦めたと記憶している。
タイヤハウス周り ・・・ 左の写真の車輪は今回の交換後のもの
ところが、(何故4年前には確認しなかったのか不思議だが)今回バッグの内側を良く見てみると、タイヤハウスは内側から3つのネジと1つのハトメで固定されていることがわかった。
そこで、早速ネジを外してみた。
バッグ底面のハトメが固定されたままなのでタイヤハウスを完全にバッグ本体から離すことはできないが、浮かせることができるようになった。これまで隠れていた車軸の内側部分を覗いて見るとネジなどで固定されているわけではなく、なんと車軸の頭をセロハンテープのようなもので(内側に抜け落ちないように)固定しているだけであった。そこで、ドライバの先端で外側から車軸を押してみるとセロハンテープは簡単に外れ車軸を内側に引き抜くことができた。セロハンテープは単なる仮留めの役割でしかなく、タイヤハウスがバッグに固定されているときは車軸の内側がバッグに密着しているため、抜けない構造になっているようだ。
タイヤハウスを浮かせると車軸の内側の穴が露出(写真は車軸引抜き後)
これで、やっとキャスターを取外すことができた。
次は交換用のキャスター探しである。当然ながら、サイズがほぼ同じでないと交換できない。取り外したキャスターの外径は(ゴムが剥離した状態で)60mm、幅は車軸周辺の一番広い部分(いわゆるボス幅)で28mm、車軸径は6mmであった。
ググって最初に目に留まったのが、これも4年以上前の記事で紹介したエンドー鞄さん が販売している交換用キャスター。(数あるバッグメーカーの中で交換用キャスターを販売している会社は少ない。そんなものを手間をかけて売るより新しいバッグを買わせたいということだと思うのだが、ユーザ目線が完全に欠落していると言わざるを得ない。久しぶりに、またまたエンドー鞄を見直してしまった ・・・ )
エンドー鞄の交換用キャスター(同社のHPより)
この商品はエンドー鞄の特定製品の交換用なので同社のHPにもサイズが表示されていないのだが、サカエさんのwebサイトに掲載されているサイズをみると外径以外はピッタリである。しかし、残念ながら 外径 70mmというのが厳しそうで、キャスターまたはタイヤハウスを削る必要があり今回は見送った。
次にホームセンターで販売されている荷物運搬用の台車のキャスターを探してみた。近くの3つのホームセンターに行ってみたが、どの店も台座(車輪支持部、フォークとも言うらしい)付きのものであれば多数置いているが、車輪単独というのは「台座つきのキャスター」の交換部品としての位置づけであり、販売しているのは2店だけで、それもそれぞれ1種類だけ(サイズ違いはあり)であった。
台座と車輪 (ハンマーキャスター社のwebカタログより)
ちなみに、キャスターという語は正確には台座付きのものを指すらしく、車輪単独ではキャスターとは呼ばないようであるが、過去の経緯もあり本記事では特に区別はしていない。
両店にあった車輪は、どちらもこの業界ではトップシェアのハンマーキャスター社製で、以下の型番であった。(同社のwebカタログより転載)
少し気になったのが、今の車輪のようにベアリングが付いておらず、樹脂製のブッシュが車軸と摺動する(すべる)構造となっている点であるが、荷物運搬台車がそれで問題ないのだから大丈夫なのだろう。
コーナンにあった 425Eシリーズ ・・・ 外径65mmで270円くらい
ドイトにあった 425Gシリーズ ・・・ 外径65mmで380円くらい
外径はどちらもピッタリの65mmのサイズがありこの点ではラッキーであった。見かけは425Gの方が良さげなのだが、残念ながら幅や穴のサイズが合わない。ということで、今回は425Eと、幅方向が少し短いことからくるガタツキを防止するためのワッシャー(130円)を購入した。
早速、新しい車輪を取り付けてみた。
ワッシャーは車輪の両端に2枚と1枚の計3枚を使用した。また、車軸の摺動がやはり気になるので、車軸周りには 樹脂素材にも使えるワコーズの潤滑剤「フッソオイル105」をスプレーしておいた。
予想通り、車輪ごと交換すると安定感、安心感は抜群である。心配した車軸の摺動も今のところ全く気にならない。これで、このバッグはあと5年は使えそうな気がしてきた。
車輪交換ができるか否かはバッグの構造と交換部品の有無に依るが、最初から諦めずにとりあえずバッグの内側を覗いてみると、もしかしてハッピーになれるかも知れない。
さて、次の旅行はいつになることやら ・・・
では
【2015年4月12日追記】
2月末にニューヨーク旅行に連れていったが、全く問題なかった。
ニューヨーク旅行については、
「ニューヨークとワシントンDCへ行ってきた ~ミュージカル編~」
以降4記事アップしたので、興味のある方はどうぞ。(キャスター問題については特に触れていない)
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