REGZAで録画した番組を他の部屋で見たい ~調査編~
以前の記事「REGZAが来た」で書いたとおり我が家のメインTVは REGZA 42Z1 である。
この機種で一番便利なのが 外付けのUSBハードディスクに手軽に録画できることであり、おかげで 1.5TBのハードディスクはいつも満杯状態である。購入当初は、「TVのおまけ機能的なUSBハードディスク録画で物足りなくなればハードディスクレコーダーを買えばよい」と思っていたが、1年以上たった今でも1点を除き、特に不満を感じたことはない。
その1点とは、Z1で録画した番組を 2階のTV(ビクター LT-26LC80)で視れないことである。
LT-26LC80 ・・・ 2006年発売(当時約10万円) フルではないハイビジョン機
背面 ・・・ HDMI入力を1系統装備
まず、その問題解決を検討する上で欠かせない「録画したTV番組を他の機器でLAN経由で視る」ための基礎知識に触れておく。
日本の不幸な特殊事情として、TV番組を録画する場合、必ずその録画した機器(機種ではなく個体識別)でしか視れないような暗号化が行われるようになっている。(過去の記事「地デジチューナー KTV-FSUSB2 を買ってみた」で、その暗号化の回避方法について書いているが、グレーゾーンなのでお勧めするものではない。)
そのため、その機器が壊れて機器自体、または内部の基板を交換した場合、録画しておいた内容は二度と視れなくなってしまう。また、録画・視聴などの操作において暗号化・復号化という処理が必要となり、更に、LAN経由で他の機器にコピーまたは視聴する場合は二重、三重の暗号化・復号化が必要となるので、処理時間がかかる上にハードの処理が追いつかない場合はデジタルノイズの原因となる。この「LAN経由で他の機器にコピーまたは視聴する」ための規格が DTCP-IPである。
DTCP-IPについては、shigeorg さんの「DTCP-IP のお話」に詳しいが、それによるとDTCP-IPの機能(DTCP-IPでできること)には以下の4種類がある。
1s) 配信機能: 他の機器へ番組を配信する(番組自体のデータは移動しない)
1c) 再生機能: 配信された番組をリアルタイムで再生する
2c) 送信機能: 他の機器へ番組データをムーブ(コピーも含む)するために送り出す
2s) 受信機能: 送信された番組データを受け取り格納する
Z1は、上記 1c と 2c の機能を持っているが、LT-26LC80 にはどの機能もない。
さて、上記の基礎知識を踏まえて、我が家の問題を解決する方法を整理してみる。
ただし、新しい機器を購入することが前提となるので、やり方はたくさん存在するが、現状あまり不便を感じているわけではないということを踏まえ、今回は支出最小限で考えることにした。従って、LT-26LC80の買い替えなどは検討対象外である。
- Z1のUSBハードディスクの内容を LT-26LC80で視聴するには、Z1から送信(2c)されたものを受信(2s)する機器が必要である。
- LT-26LC80には DTCP-IPの機能は一切ないので、LT-26LC80の側には、再生機能(1c)を持つ機器を置く必要がある。
- 上記1と2の合体案として、1の受信機器が、受信・格納した番組を後で再生してHDMI出力できるものであれば、1と2を合わせて1台の機器で済む。
上記3に相当するのは、shigeorgさんの整理された「各製品の DTCP-IP 対応状況一覧 (その1)」によると、 Panasonicや東芝のハードディスクレコーダー(今買うとしたらブルーレイレコーダー)かアイオーデータの地デジチューナー HVT-BCT300L となるが、前者は
- 最近安くなったとは言え、私の欲しいPanasonic の DIGAでは最低4万円近くの出費となる
- LT-26LC80の側に置いてしまうと、ブルーレイディスクを Z1で視聴することができない
後者は
- 価格が1.5万円超なのは良いとしても、価格コムの掲示板では不安定という意見が目白押し
という問題がある。が、最大かつ根本の問題は、DTCP-IPについては各社間の互換性が完全には保証されていないという大人の事情から、上記機種では(多分)Z1から直接受信できないということである。なんじゃ、それ
ということで、結局、1と2の機器を個別に購入することになった。
長くなったので続きは次回 購入編で。
では。
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