地デジチューナー KTV-FSUSB2 を買ってみた
前回の記事「PND JM-434N を買ってみた」で
アナログ停波以降は GV-MVP/RX2 が使えないことの方がイタイ。 代替として、液晶テレビ REGZA Z1でワンセグ録画した番組が見れるのではないかと淡い期待をして試してみたのだが、これもダメのようである。
と書いた。
要は、アナログ時代は、TV番組をキャプチャーして(暗号化されていない)通常の動画ファイルとして記録したり他の形式への加工も自由にできていたが、地デジになって、媒体への記録は必ず暗号化されるようになったため、加工や他の機種での再利用が制限されるようになったのだ。(これらの仕組みについては、Wikipedia の「フリーオ」を参照)
これらの暗号化を回避して録画できる機器としては、今では、フリーオ以外にも、アースソフトのPT2 や PLEXのPX-W3PE などが販売されている。私も半年前くらいから興味を持ち、PX-W3PEについて調べていたのだが、
- 別途入手が必要なB-CASカードも入れると 2万円を超えること
- 私のPCが6年前に買った Pentium4 機で、PX-W3PEの推奨条件(Core2 Duo)を満たしいていない上、モニターもアナログ接続であり、そもそもこれらのデジタル前提の処理や視聴ができるのか確信が持てなかったこと
などの理由から購入には躊躇していた。
そんな折り、偶然ネットで 恵安の地デジチューナー KTV-FSUSB2 を発見。
これは普通のUSB接続のPC用地デジチューナーなのであるが、少し改造すれば 暗号化抜きで録画(いわゆるTS抜き)できるらしい。それも値段は、B-CASカード付きで 4000円台。PX-W3PEは、地デジ×2+BS/CS×2 なのに対し、FSUSB2 は地デジ×1 という違いはあるものの、私のニーズには FSUSB2 で十分であるし、4,000円であれば仮に失敗しても 2~3日で立ち直れそうだ。
念のため、自分のPC環境を再チェック。
恵安のHPの記載されている稼動条件(これが非常に見難いのだが・・・)の中で気になったのはグラフィックに関する以下の記述である。
チップセット内蔵(COPP対応が必要) intel GMA 3100(G31) Intel 3シリーズ以上
私のPCのマザーボードは intelの D945GNTLKR でチップセットは 945といわれるものなのだが、Wikipediaの「Intel GMA」によると、内蔵グラフィックは GMA 950世代なので上記を満たしていない。
一方、ASCII.jp の記事「発売中の地デジチューナー、買いは一体どれだっ!!【前編】」によると、(Windows XP環境なら) intel 945 チップセットより COPPに対応しているということなのでギリギリOKだ。
と言うことで、今ひとつスッキリしないので、バッファローの地デジ環境確認ツール「PCastTV for 地デジ Lite」で確認したところ、一応「COPP対応」とのこと。
これで踏ん切りをつけて、早速、最安のソフマップ秋葉原店で 3,980円で購入した。
はやる気持ちを抑えて、まずは、標準のドライバと視聴ソフトで動作確認。
ネットでは感度が悪いとの噂があったが、どのチャンネルも綺麗に視聴できる。唯一問題なのがCPU負荷で、視聴するだけで常に 70~80%になっており ファンがうるさくて長時間使用は正直キツイ。
ここまで確認したところで早速改造開始。
改造手順は、「KTV-FSUSB2/FSPCIEの改造まとめWiki」(リンク禁止のようなので、見たい人は左記タイトルでググってほしい)の左のメニューを順に参照してその通りにすればよい。なお、私が買った FSUSB2のS/Nは K1106 で K1102やK1103と全く同手順でOKであった。
取り出した基盤 ・・・ アンテナが取れやすいのでテープで固定
全ての手順の中で最も大変だったのが最初の「7pinカット」の改造だ。事前に写真を見て簡単だと思っていたのだが、実物を見て少し引いた。予想していたよりもメチャクチャ小さいのだ。昔ならまだしも、老眼が必要となった今では、拡大鏡の助けを借りても厳しいレベルだ。
まずは、100均で買っておいたミニニッパで挑戦したが、それでも大きすぎてうまく7pinを挟めない。仕方なく、一番小さな精密ドライバの先端で少しずつ削っていったが、拡大鏡片手の作業では、精度も効率も悪く遅々として作業は進まない、というか、小さすぎてカットできているのかさえわからない。
結局、20分程度やったところで力尽き、とりあえず次のファームウェア書き換え作業に移行した。
ファームウェアの書き換え作業は、「書き換え用ツール詰め合わせ」を使えば、全く考えることなく、添付の readme.txt に書かれている手順通りに作業すればよい。
唯一、書かれている手順と異なったのが、最後の
【12】ファーム書き換え済み本体をUSBに取り付ける
デバイスマネージャの「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ」に「ISDB-T DTV Tuner FSUSB2N」として認識
の部分で、私の場合、一瞬「ISDB-T DTV Tuner FSUSB2N」となるが、すぐに「ISDB-T Full Segment Device」になってしまう。
少しあせったが、デバイスマネージャから、「ISDB-T Full Segment Device」のプロパティを開き、ドライバの更新で「ISDB-T DTV Tuner FSUSB2N」を入れ直すことで解決した。書き換えがうまく行ったということは、意外にも 7pinカットは成功していたようだ。
最後に、定番のフリーの視聴ソフト TVTest、予約録画ソフト TvRock などをインストールして、地デジTV視聴/録画環境の構築が完了した。
恵安の標準ソフトに比べ、使い勝手の向上もさることながら、CPU負荷が20%くらいに下がったのも大きなメリットだ。
これらのすばらしいフリーソフトを作成・提供下さっている皆様、本当にありがとう ・・・
あまりの快適さに、壊れた時の予備に FSUSB2をもう1つ買っておこうかと真剣に考えている。あの7pinカットにも もう一度チャレンジして完全勝利したいし ・・・
では。
【2011年8月21日追記】
早くも、FSUSB2 をもう1つ買ってしまった。(S/N は K1107)
興味のある方は、「地デジチューナー KTV-FSUSB2 をまた買ってしまった」へ。
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