友野典男著の行動経済学を読んでみた
前回に続き、行動経済学ネタである。
今回は、友野典男著の「行動経済学 経済は「感情」で動いている」について書いてみる。
と言っても、この本は前回紹介した「予想どおりに不合理」と比べて難しい部分も多く、私も全て読んだわけではないのだが、最初の第一章で提示されている問題がなかなか面白いので、その中から気になった(というか私が間違った)問題を2つ紹介する。
1つ目の問題は以下のようなものである。(言い回しも重要なので、少し長いが問題分をそのまま引用する。)
問題1
今、あなたはテレビのクイズ番組に出演しているとする。
何題かの問題に正解し、最後の賞金獲得のチャンスがやって来た。
ドアが3つあり、どれでもいいからドアを開けるとその後ろにある賞品がもらえることになっている。1つのドアの後ろには車が置かれているが、残りの2つのドアの後ろにはヤギがいるだけだあなたは、A、B、C3つのドアから見当をつけてAのドアを選んだとしよう。まだドアは開けていない。
すると、どのドアの後ろに車があるのか知っている司会者は、Cのドアを開けた。もちろん、そこにはヤギがいるだけだ。ここで司会者はあなたに尋ねた。
「ドアAでいいですか? ドアBに変えてもいいですよ。どうしますか?」
さあ、あなたならどうするだろうか。Aのままでもよいし、まだ開けられていないBのドアに変更してもよい。どちらを選ぶか?
私の答えは「変更しない」である。なぜなら、AとBが当っている確率はそれぞれ50%であるが、司会者が「はい、残念でした」と言ってAのドアを開けなかったことから考えて、Aの方が当る確率が高いように思ったからである。
実は、この問題の正解は「変更する」である。
ただし、間違えた悔しさ半分でケチを付けさせてもらうと、問題文が正確でないと思う。「あなたが選んだドアが当りか否かにかかわらず、司会者は必ずはずれのドアを開けてみせる」というルールの説明が抜けているのだ。
このルールの下で、当りがA, B, Cのそれぞれの場合を考えると、
・ Aの場合は「変更しない」場合に当り
・ Bの場合は「変更する」場合に当り
・ Cの場合は(この場合、司会者はBのドアを開ける)「変更する」場合に当り
となり、結局 2/3の確率で変更する方が当ることになる。
この問題は、「モンティ・ホール問題」と言って結構有名な問題らしい ・・・・ 知らなかった
2つ目の問題は以下のようなものである。(これもそのまま引用する。)
問題2
ある致命的な感染症にかかる確率は1万分の1である。
あなたがこの感染症にかかっているかどうか検査を受けたところ結果は陽性であった。この検査の信頼性は99%である。
実際にこの感染症にかかっている確率はどの程度であろうか?
私は「99%」と思ったのだが、回答をみると違っていた。
ここには回答は書かないが、ここで言う「信頼性 99%」とは、
・ 感染症にかかっている人をかかっていないと判断する確率
だけでなく
・ 感染症にかかっていない人をかかっていると判断する確率
も同じく 99%である、というのがミソである。
気になる人は本屋さんか図書館で。
では。
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