So-net から 2年ぶりに nifty へ戻ってみた
2002年に今の家に引越したときに初めてプロバイダと契約したのであるが、その時は nifty + Acca のADSL12M の回線であった。我が家の場合は、線路距離長 3km強、伝送損失 42db という ADSLにとっては良くない条件なので、当時、長距離に強いと噂されていた Acca 12M を選択した。
最初のモデムは 富士通の FLASHWAVE 2040 M1。
回線品質はというと、私の場合、それほどヘビーユーザではないので、下り2Mbps強という速度にそれほど不満はなく、かつリンク切れもほとんど意識することはなかった。
2003年の年明けに IP電話を始めて、モデムが FLASHWAVE 2040 V1 と変わった当初は、電話がよく切れるということで、家の嫁さんから不満の嵐であったが、それも、ファームウェアがバージョンアップされる毎にどんどん改善していき、3,4年後には品質は相当安定してきた。
はっきりした数値は覚えていないが、下りのリンク速度は2M強程度しかでなかったが、モデムの管理画面で表示されるエラーやエラー訂正は常に0であった。
ただし、リンクダウンは全くしないものの、1ヶ月近く連続使用していると何故かハングしたように、ネットも電話も一切使えなくなるという不具合はあったが、毎週モデムの電源を再投入するようにしてからは、全く問題はなくなり、今考えると歴代で1番安定していた時代であった。
そうこう5年も使用していると、ADSLも30M、50Mの時代。
私自身は、高速のADSLには向かない環境であることを自覚していたので速度に対する要求はなかったのであるが、問題は費用であった。
このころになると、ADSLは高速化と並行して、12Mのような普及クラスの低価格化が進んでいた、当時、私はモデムのレンタル料を含め月に3,500円程度払っていたのだが(IP電話の通話料は除く)、それがいつのまにか市場価格は 2,000円レベルになっていた。
言うまでもなく、私も、この新プランに乗り換えようと思ったのであるが、何と、一旦今の契約を解約しないと替われないとか、切り替えに(サービス停止期間が)1ヶ月かかるとか、当時の nifty は完全に切り替え妨害戦法をとっていたのである。
これには、さすがの私もキレた。新しい顧客獲得のためにサービスを向上するのはよいが、既存の顧客を大事にしないというのはサービス業として完全に方向を間違えている。
このやり方を聞いて思いつくのが新聞勧誘のやり方だ。
長年の愛読者に対するサービス向上には関心が薄く、新規獲得顧客に向けては破格のサービスを行う。このような企業・業界に先があるわけがない。
ということで、長年お世話になった nifty に愛想をつかし、2007年末頃から次なる止まり木を探すことにした。(なお、nifty のメアドを残すために、nifty は お手軽1コース 263円/月 で継続。)
今の通信品質には満足していたので、それをなるべく変えたくないということで Acca12Mは変えずに、プロバイダはそこそこ有名+値段的にお得 というのをターゲットに探してみた。その結果、比較.com で so-net + Acca12M を申し込んだ。
月額2000円程度になる上に、1年後に 16,000円キャッシュバックだという。
so-net + Acca12M のモデムは 富士通アクセスの FA11-W5 である。
開始当初は、下りのリンク速度は 2.8M程度は出ていたが IP電話が切れまくりだ。嫁さんの大クレームに私もタジタジとなり、
- 高品質または短い電話ケーブルへの交換
- 外付けスプリッタ(ELECOMのLD-ADSLSP3)の導入
- 電話ケーブルにアルミホイルを巻く
- ノイズカット中継フィルタ(オーム電機のBB-2572)を入れる
LD-ADSLSP3 BB-2752
などの思いつくあらゆるノイズ対策を試したが、どれも明確な違いがでてこない。長期的に使用してリンクダウンの傾向を見れば有意差はでるのかもしれないが、そんな時間も暇もない。
とりあえず、リンク速度とリンク直後数分のエラー数の増加傾向で判断したが、それでも、これらの組合せ(電話ケーブルだけでも5本近くあった)を全て試しながら、モデムリセットと観察を続けるのは大変だ。それも、差がでても全て微妙なものばかりで本当に有意差があるのかは大いに疑問である。途中からは、これらのノイズ対策は「気持ちの問題程度」と悟りつつも「少しでもよい組合せを」と思いながら空しい作業を続けていった。
結局、外付けスプリッタ、ノイズカット中継フィルタは効果なしということで、お蔵入りとなった。とは言え、相変わらず、IP電話通話中の切断は一向に改善しない。
嫁さんの我慢も限界に達したので、半年程して帯域調整を依頼した。
2.8M程度あった下りのリンク速度を、以前の niftyと同レベルの2M近くに落としてもらったのだが、通話の切断は「気持ち程度」は改善したものの根本解決には至らなかった。(nifty の時にはほとんど 0 であったエラーやエラー訂正は相変わらず発生している。)
プロバイダとしての so-net はどうかと言うと、これが私には全く魅力を感じない。そもそも HPは無駄に重いし、魅力的なコンテンツもない。メアドについても、自分の設定した名称と @so-net.ne.jp の間に勝手に3文字の文字列が入るのも気にくわない。
ということで、キャッシュバックをもらったら、また nifty に戻ろうと思っていたのだが、面倒くさいこともあって、2年近くたった最近やっと nifty への回帰を実行に移した。
so-netの経験で、私のAcca幻想は消え去っていたので、今度はイーアクセスで行くことにした。(と、言っても、もう同じ会社なのだが。)
今度も、価格.com や 比較.comでキャンペーンを探してみたが、どうやらイーアクセスのHPから申し込むのが最もお得のようだ。(==>ココ。12Mの場合、15,000円キャッシュバック)
さっそく、申し込んで、10月末に切り替えを完了した。新しいモデムは、NECアクセステクニカの Aterm WD701CV(C)。
さっそく、我が家のマルチメディアポートに組み込んで利用を開始した。
切り替え前は、帯域調整したこともあり、下り/上りのリンク速度は 2M/0.5M くらいであったが、切り替え後は 1.7M/0.8M と低下しており、エラーやエラー訂正も結構発生している。
仕方なく、so-net に切り替えたときに行った種々の品質向上対策を再度試してみたのだが、その結果、(気持ちの問題も大きいのだが)前回お蔵入りした、短いケーブルとELECOMの外付けスプリッタを復活させることにした。
その結果、現在は 1.9M/0.8M といったところだが、リンクダウンも時々発生しており予断は許されない状態だ。帯域調整しているわけではないので、下りはもう少しでて欲しいのだが・・・・ とりあえず、しばらくは様子見したいと思う。
なお、ADSLモデムの監視には、井田敦朗 さん作の モデムモニター が便利である。モデムモニターを起動しておけば、定期的にモデムにアクセスを行い、リンク切れの記録やリンク復活時のリンク速度などを自動的に記録してくれる。
so-netに切り替えてIP電話が切れまくっていた時にも、このような自動監視ソフトがないか探したのであるが、その時は見つけることができなかった。今回、nifty に戻るに当って再度探したところ、やっと見つけることができた。基本的には、NEC製モデム用のツールであるが、設定ファイルを変えることにより、FA11-W5 でも使用できる。
マルチメディアポートに収まった Aterm WD701CV
壁側に熱の排気口があるため少し浮かせて設置してある
今回の教訓
- ADSLは一定間隔でプロバイダを替えるのがお得
- 電話局から遠い場合は、ADSL品質が悪化する可能性あり
==> 「いざとなったら光に変える」くらいの気構えで!!
【2009年11月28日追記】
元の記事から3週間ほど使ってみたが、リンク切れは全く起こっていないようだ。リンク速度は 2.0M/0.7M で決して満足できるものではないが ・・・・・ まあ、よしとしよう。
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コメント
2009年11月DTIからso-net光(ひかりone)に替えました。DTIの「ひかりone Tタイプホーム100Mプラン」を新築を機会に悪い評判も当時最先端?だったYBB ADSLから替えて、開通から特に問題もなく自分にとっては高レベルの満足感を持ってインターネットもIP電話(DTIフォンひかり)も使えていました。
ところが、2009年3月ごろにファームウエアバージョンアップの案内があって、更新したあたりからIP電話の着信のみ定期的に毎月10日ごろできなくなる不具合が発生。プロバイダ・回線業者であれこれ機器を交換するという単純なん対策を施して復旧に努めたようですが結局今現在まで全く改善ができず、こちらの接続機器を疑う始末。悔しいのでPC&TELを直付けしてみましたが
結果は同じでした。
愚痴が長くなりそうなのでこのくらいでやめておきますが、DTIの対応が経営陣が変わったあたりから明らかに悪くなったことを強く感じます・・・。
接続環境は若干違いますが、たいへん参考になりました。
来年早々NPが完了したタイミングでスイッチングHUBを「WTJ8501」1ギガ対応タイプ交換予定です。
so-netブログにアップしてみようかと思っています。
投稿: taro | 2009年12月10日 (木) 15時00分
taro様
コメントいただき、ありがとうございます。
私は記事に書いたような過去の経験から、ADSLは、(特に私のように電話局から遠い場所にとっては)かなり怪しく不安定な技術なので、当面はだましだまし使って、最後は光かな、と思っていたのですが、taro様のコメントを拝見すると、光でもいろいろと落とし穴がありそうですね。
非常にバクッとした感想ですが、家電や電子機器類は、昔にくらべてコストダウン優先となり、ハードもファームウェアの信頼性や堅牢性はかなり劣化している印象を受けます。
taro様はマルチメディアポート繋がりで、私のブログをご覧いただいたものと想像しますが、私も光にした場合は、マルチメディアポート内外の機器配置をどうすべきかと(かなり気が早いですが)思っています。
その点も含め、taro様のような先人が、ブログ等で経験や知恵を開示していただくと助かります。
投稿: Toshi | 2009年12月12日 (土) 10時16分
「ゴテゴテ、グツグツBlog」ですが
よろしければご覧になってくださいますか?
表現が過激な部分もありますが、なるべく思ったままの性格の悪い自分を、あえて表面に出したコメントにさせてもらっています。
来年早々、念願のギガタイプのスイッチングHUBに交換予定ですが約3万円の出費は愚妻の事業仕訳にかかる可能性大で、前途多難でございます。
現状最大で93M出ている状況でそもそもギガクラスのスピードは必要なのでありましょうか?
1世代前のPCも一応ギガLAN対応ではありますが、ギガ得プランに変更後けっこうパケット落ち現象が出ていることも考えると、現状維持も選択肢の一つでありましょうか?
悩むところでございます。
投稿: taro | 2009年12月21日 (月) 02時02分