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2009年6月の記事

2009年6月27日 (土)

我が家のマルチメディアポート

私が今の家を建てたのは2002年である。それまでは借家住まいだったのだが、それなりに歳もとったので一発奮起した。

買ったのは建売ではなく建築条件付土地というものであった。建築条件付土地というのは、家を建てる業者が決まっているという条件の下で土地を買う契約形態だ。
建売などを作って売っている地方工務店(の一部)は、良い土地が仕入れられれば、建売で売り出す前に(または、売り出し準備と並行して)、まずは建築条件付土地として売り出す。建築条件付土地の方が、建売と違って売れ残りリスクがないからである。それで一定期間売れない場合は、建売に方針変更するのだ。
買い手から見て建築条件付土地のメリットは、間取りや仕様・デザインなどを好きに選択できるということだ。(もちろん、その工務店の技量とセンスの範囲内でということになるが・・・)

基本的に、間取りや住宅設備の仕様は妻に任せたのであるが、私はとりあえず宅内LAN配線だけはやっておこうと思った。それまでの借家では、ダイヤルQ2のプロバイダを利用していたが、引越しを機会にADSLによる常時接続にすることも決めていた。

宅内LANの情報をwebなどで調べた結果、情報関連機器は1ヶ所に集め、そこから全居室へCD管(ケーブル類を通すためのチューブで以下の写真の橙色のもの)を通してケーブルを配線するスター配線の形態をとることにした。問題は肝心のスター配線の中心部分をどうするかだ。
当時、構成部材は個別に探せばそれなりに見つかりそうであったが、システム的に売り出していたのは、私の知る限り、松下電工(今のパナソニック電工、以下、電工と記す)のマルチメディアポートだけであった。

配線計画(マルチメディア対応配線システム) | マルチメディアポート
http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/haisen/internet/product/equipment.html

値段は高いのだが、納まりの良さに惹かれて、これを採用することにした。

工務店が電気関連工事を依頼している電気工事屋に機器番号と設置仕様を説明したところ、見積もりは工事費込みで 20万弱であった。不思議なもので、家の各種仕様決めの時であったので、高いと思わず(金銭感覚が麻痺しています )発注した。それで、できたのが以下である。

設置当初(宅内配線のみ済みで外部未接続)

 マルチメディアポートの中(カバーをはずしたところ)
 Multimediap1

 

 右半分の拡大写真
 Multimediap2

 

 各部屋に設置した情報コンセント(右上が電話、右下がLAN)
 Multimediap5

現在(ADSL利用中)

 マルチメディアポートの中
 Multimediap3

 

 右半分の拡大写真(中央がスイッチングHUB)
 Multimediap4

左の黒い箱は、富士通アクセスの ADSLモデム FA11-W5、その右から順に、TVブースタ分配器、LAN端子台×2、スイッチングHUB、電話線端子台×2となっている。

電話線にアルミ箔を巻いているのは、2年前に Nifty(Acca12M) から So-net(Acca12M) に変えたときに、IP電話の通話品質がかなり悪化したので、苦し紛れにやった対策の跡。この効果は全くなく、結局速度調整でやっとまともに使える状態になった。

私は、ADSLモデムをマルチメディアポート内に設置しているが、これは電工の推奨ではない。電工の標準設置方法は、マルチメディアポートから一旦1つの部屋(コンセント)まで電話線を出し、そこでADSLモデムにつないで、そこからLAN信号をマルチメディアポートのHUBに戻して各部屋に分配する方法だ。(下に貼ったイラストの右半分を参照)
しかし、これだと、マルチメディアポートで集中管理している意味が半減するため、当初から今のやり方で計画し、そのためにフリースペースが一番大きくなるように最大サイズのボックスを選択した。設置当初はモデムの排熱が気になったが、予想以上に熱は出ず、未だに中の機器が故障したことはない。(後述する1機種を除いては・・・)

現在、電工は、マルチメディアポートに加え、新たにマルチメディアポートS を売り出している。マルチメディアポートSでは、最初から モデム類と同じ場所に置く(内蔵ではない)ことを想定して設計されている。
なお、どうみても不要と思えるLAN端子台はマルチメディアポートSでは廃止されている。

以下は、電工のHPにある2つの機器の設置例である。

Multimededia

さて、これから話は 「問題の」スイッチングHUB の話に移る。

スイッチングHUBは、ちょうど私が設置する頃に発売された100Mまで対応した最新型であった。
設置当初と現在のスイッチングHUBの写真をよく比べて見ると、少し違っているのに気付くだろうか? 実は、今のスイッチングHUBは3代目である。初代の型番は WTJ8401、3代目の型番は WTJ8401K で、よく見ると後者にだけ右側の突起部の上下に廃熱用のスリットが入っている。

私の場合、まず、設置後3年程度で電源ランプが点かず通信できない状態になった。保証期間も切れていたので、自分ではずし、説明書に載っていたサービス窓口会社(電工ではない)に電話したが、この機種は「個人からの直接の修理依頼は受け付けない」ということで、やむなく近所のNationalのお店へ持っていった。修理期間が3週間程度、修理代は約1万円であった。
修理戻り品は、渡したものと明らかな別物(新品ではなさそう)だったが、残念ながらスリットが入っていたかは記憶がない。とりあえず自分で設置して3年程度使用したところで、再び故障した。また、1万円取られるのはつらいので、市販の2-3000円のスイッチングHUBに変えようかなと思っていたところ、web上で耳寄りな情報を目にした。

このスイッチングHUBは熱対策ができておらず、数年で故障する事例が多発しており、電工に電話すれば無償で交換してくれるというものであった。

※当時、誰かのブログにこの故障報告のコメントが大量にぶら下がっていて私も書き込んだのであるが、今、それを探しても見つからない。何故なんだ

早速、電工のお客様窓口に直接電話。折り返し、地区のサービス担当(別会社?)から電話がかかってきて、数日後に交換に来ると言う。とりあえず「故障事例は多数あるらしいので製品に問題あるのでは?」というジャブを打っておいたせいか、当日は妻が対応したのだが、修理代のことは触れずに帰ったとのこと。とりあえずは助かった。
製品に問題があるとは言え、保証期間を過ぎた製品を訪問修理で無償交換するスタンスはなかなかのものだと思う。この点は、電工が、家電メーカーというよりも住宅設備メーカーであることからきているのだと思う。
横道に逸れるが、自分の体験でも、自宅に設置した電工の住宅部材に異変が見られたときにHPのお問合せ欄に書き込んだことがあるが、すぐに様子を見に来てくれた。(この件自体は私の完全な誤解で電工に全く非はなかった
以上、とりあえず、電工を「よいしょ」してみたが、やはり WTJ8401 の件では、保証期間程度は乗り切れるとは言え、公表/リコールもののような気がする。実は私的には代替の WTJ8401K も結構ヤバイのではないかと内心疑っているのだが・・・

ということで、現在、3代目の WTJ8401K が動いているのだが、既に1ポートはお亡くなりになっている。果たして、今年の夏は乗り切れるのか? 続報を待て! といった感じであるが、さすがに今度故障した場合は、市販のHUBを買い、LAN端子台もはずしてHUBに直接接続しようかと思っている。(ちなみに、今であれば、HUBは サイズ・ポートの向き・価格面で PLANEX の FX-08Mini が良さげな気がする。)
いかん、早くもLAN用の圧着工具が欲しくなってきた・・・ 

ところで、今、電工のHPを見ると、スイッチングHUBが代替わりしようとしているようだ。

まず、知らないうちに、ギガビット対応が発売されていた。WTJ8501 定価36,750

また、「問題」の WTJ8401K は 2009年9月生産終了予定で、同じ「10/100MスイッチングHUB」の「省エネタイプ」 WTJ84019(定価15,540) が 同月に発売予定らしい。

「省エネタイプ」って・・・・・

 

【2009年11月8日追記】
プロバイダを変えたことによって、マルチメディアポート内のモデムも変更。
興味ある方は「So-net から 2年ぶりに nifty へ戻ってみた」を参照。

【2011年9月3日追記】
何と、我が家のHUBが 「省エネタイプ」WTJ84019 になった。
そのいきさつは、「
我が家のマルチメディアポート ~ついに省エネタイプになった~」で 

【2013年2月16日追記】
ギガネットワーク化に向けて事前検証を行ったので、興味のある方は「宅内LANギガ化計画 ~ その1 事前検証編」へどうぞ。

【2013年6月1日追記】
やっと宅内LANのギガ化を完了した。興味のある方は「宅内LANギガ化計画 ~ その2 実行編」へ。

【2019年1月12日】
マルチメディアポートの電工のリンク切れを修正。
現時点では、[マルチメディア]ポートALL ギガ という名称のようだ。

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2009年6月20日 (土)

携帯が知らせる電車情報(その5 iNextTrainに変えてみた)

以前の記事「携帯が知らせる電車情報(その1 A-trainの紹介)」で、携帯用の NextTrain仕様の時刻表表示 iアプリ A-train を紹介した。

その記事でも

NextTrain シリーズの iアプリ版には、A-train 以外にも iNextTrain とかvNextTrain が存在するが、
・ iNextTrain は docomo 902シリーズ以降しか対応していない(私はまだ901シリーズ)
・ vNextTrain は 時刻表データをサーバ経由で送受信する必要がある
という理由で、私は A-train を利用している。

と書いたが、今回、めでたく携帯を P-06A に更新したので、早速 iNextTrain をインストールしてみた。

ちなみに、乗り換えた理由は、以下の2つである。
・ A-train の方はここ数年バージョンアップされていないので新しい携帯で動作するか不明であった
・ これまで機種制限で使えなかったので是非新しいものを試してみたかった
私自身、A-train でも基本機能しか使っていなかったので、正直なところ、A-train との機能比較をしたわけではない。

iNextTrain は みゅさんが開発し、すーさんが引き継いでいる iアプリだ。

iNextTrain のサイト
http://inexttrain.hp.infoseek.co.jp/index.html

ダウンロードサイト = アプリ★ゲットのiNextTrain紹介ページ
http://appget.com/im/pc/apview_043941.htm

画面サイズによって、ダウンロードするプログラムが異なるので、自分の携帯に合ったものを選ぶ必要がある。(種類については、上記「iNextTrain のサイト」の[ダウンロード] のページを参照。)
私の P-06A は画面サイズが 240×427 なので、「240x320(QVGA)版」を選んだ。

A-train や iNextTrain などの NextTrain仕様の時刻表表示アプリを使うためには、まず NextTrain形式の時刻表データを用意しなければならない。

NextTrain形式の時刻表データ作成ツールとしては、前回の記事で紹介した nTakさん作成の TrainConv5 が定番であり、私もこのソフトがなければ、A-train も iNextTrain も使っていなかったと言えるほど、NextTrainシリーズのソフトを使うにはなくてはならないツールである。

Welcome to nTak's Gadget Room(作者の nTak さんのブログ)
http://www.bzwind.com/ntak/

時刻表変換ツール「TrainConv5」のサイト
http://www.bzwind.com/users/ntak/tconv5.html

前回も書いたが、残念ながら現時点で「駅前探険倶楽部」や「JR東日本時刻表」からは時刻表を正しく取り込めないようで、「えきから時刻表」を利用するしかない。また、到着時刻表示も完全には動かないようだ。(私が試した限りでは、列車の種類が同じものは全て同じ所要時間になってしまった。)

【2010年5月3日追記】
実はかなり前から気付いて利用していたのだが、駅前探検倶楽部やJR東日本時刻表に対応できる修正スクリプトが RSTさんより公開されているので、遅ればせながら以下に掲載する。(RSTさん、ありがとう
この内容で、駅前探検倶楽部であれば T01ekitan.pss、JR東日本時刻表であれば T03JReast.pss を置き換えれば、到着時候表示も含め全て動作した。(ただし、私が確認したのは2010年春改変以前である。従って
2010年春改変対応版は未確認である。)
  (非公式)TrainConv5 駅前探険倶楽部 2009年春改変対応
  (非公式)TrainConv5 JR東日本 2009年春改変対応
  (非公式)TrainConv5 駅前探険倶楽部 2010年春改変対応

余談だが、この時刻表変換ツールのメンテというのは、私の乏しい想像力で考えても大変だと思う。通常のフリーソフトであれば、ニーズ(やりたいこと)とシーズ(開発に必要な技術や労力)の妥協点を自分で設定して開発仕様を決めることができるが、時刻表変換ツールの場合は、自分の興味とは無関係に、変換元の時刻表サイトの仕様が変わるたびにそれに追随しなければならない。
特に「到着時刻表示」というのは、全ての電車について、各駅の到着時間をweb上で追いかける必要があり、素人目で考えても大変さがわかる。
「TrainConv5」の場合は、時刻表サイト毎に処理がスクリプト化され公開されているのだが、それぞれが想像以上にコード量が少ないのには驚かされる。しかし、残念ながら、Basic や C くらいしか馴染みのない私には相当敷居の高そうな言語に感じた。

特定の種類の電車を色付きで表示するやり方も、前回の記事に書いた A-train の場合とほとんど同じである。以下に手順を示す。

  1. TrainConv5 をインストールしたフォルダの下の libs\ColorDef.txt というファイルに以下のような行を追加する。(その他の行は#でコメントアウトしてもよい)

    AQUA=*特別快速,*特快,通勤快速

    これは、『「通勤特別快速」「青梅特快」「通勤快速」などの時刻はAQUA(水色)で表示』 という意味である。ここで * はワイルドカードである。使える色は、「iNextTrain のサイト」の[制限事項、仕様]のページの最初の部分を参考のこと。
    ※ iNextTrain で指定できるのは文字色のみ(背景色は不可)で、既定の17色の中からしか選択できない。A-train では、1行の中で電車の種類と行先は別の色を指定できたが、iNextTrain では1行はすべて同じ文字色となる。
     
  2. ウィンドウ左下の[色拡張エクスポート]→[iNextTrain]を右クリック→[iNextTrain形式で保存]で 色情報つきのNextTrain形式のファイルを作成する。

NextTrain形式の時刻表データの取り込み方法や iNextTRain の使い方については、「iNextTrain のサイト」の[使い方]のページを見て欲しい。また、[制限事項、仕様]のページも一読することをお薦めする。

iNextTrain では、時刻表データを取り込む方法として SDカード経由で行う方法と 赤外線で取り込む方法の2通りがあるようだ。
私は、マイクロSDカード経由で取り込んだが、以下にその場合の手順を簡単に記す。(手順は、[使い方]のページに記載されているのだが、私も少し迷ったので念のため。)

  1. iNextTrain を起動し、[メニュー]→[データ取得方法選択画面]→[方法選択]→[SDファイル環境初期化]を選択すると、SDカード内に、時刻表リストファイル(INT.FLT)、時刻表データのテンプレートファイル(INT0nn.TBL、ここで nn は 01~20の連番)、祝日データファイル(iholiday.dat)が作成される。
    後はPCを使って、これらのファイルを上書き修正する。変更内容については以下の通りである。
    ・ 時刻表データファイル: NextTrain形式の時刻表データで上書きする。基本的に、TrainConv5 で作成したデータがそのまま使えるが、#で始まるタイトル行の「(平日)」などの曜日情報は不要なので削除する。(このタイトル行の文字列がタイトルとして iNextTrain の時刻表メニューに表示される。)
    ・ 時刻表リストファイル: 内容は時刻表データファイル(INT0nn.TBL)の名称の一覧となっているが、実際に時刻表データを設定したファイルのコメントマーク(先頭のセミコロン)を削除する。
    ・ 祝日データファイル: 2009年の祝日の一覧が最初から設定されているので特別な理由がない限り修正不要。
     
  2. データを設定したSDカードを携帯に戻しただけでは、まだ、それらのデータは有効とならず、iNextTrainへの「転送」作業が必要となる。(これが、私には分かりにくかった。)
    具体的には、iNextTrain で、[メニュー]→[時刻表データ取得]を選択すると、[取得データ保存先選択]画面になる。ここには、iNextTrain で管理する20番まで時刻表番号と、既に登録済みの番号の行には時刻表のタイトルが表示されるので、今回登録したい番号を選択する。すると、[取得データ読み出し元選択]画面になり、SDカードに設定した時刻表データのタイトル一覧が表示されるので、新しく登録したい時刻表を選択すると、先ほど選んだ時刻表番号にその時刻表が登録される。

手順は以上である。

そうして導入した、私の iNextTrain の画面が以下である。
(JR中央線 土曜日の 13:40 現在の東京駅発の時刻である。)

リストモード表示(左) と 時刻表表示モード(右)

 Inexttrain1_2  Inexttrain2

では。

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2009年6月13日 (土)

ジャンクションを使ってみる(その2 実践編)

前回に引き続き、今回はジャンクションの実践編である。(特に指定のない場合は、Windows XP Home Edition を使用している。)

前回の最後に書いたように、Windows では、ジャンクションやハードリンクをまともに使うための手段が標準では用意されていないので、フリーソフトを使ってみることにする。

私が、お薦めするのは、T.Kawasaki氏作成の 「リンク作成シェル拡張 for Windows 2000/2003/XP」 で、以下のページからダウンロードできる。

リンク作成シェル拡張 for Windows 2000/2003/XP 再配布ページ
http://www4.point.ne.jp/~numa/lnhdr/index.html

ダウンロードした msi ファイルをダブルクリックした後、指示に従えばインストールは完了である。

使い方の例として、[Q:\クリップボード] フォルダ以下の実体に、[C:\freesoft\クリップボード] からアクセスできるようにすることを考える。すなわち、[C:\freesoft\クリップボード](リンク側)から [Q:\クリップボード](リンク先=実体側)にリンクを張ってみる。

リンクの張り方は簡単で、エクスプローラ上でリンク先を右クリックしたまま、リンクを作成する場所までドラッグする。そのとき下図のようなメニューが表示されるので、「リンクを作る」を選択する。これで、リンクは完了である。(別のソフトによって表示されている標準以外の項目が多数あるが、気にしないように)

Junction

実際にエクスプローラで
C:\ → freesoft → クリップボード
と順にクリックして展開していくと、[Q:\クリップボード] フォルダ以下にあるファイル群が、あたかも [C:\freesoft\クリップボード] フォルダ以下にあるように見える。(エクスプローラの上部に表示されるパスも "C:\freesoft\クリップボード" となっている。)

Junction0_1

dir コマンドで見てみると("C:\freesoft>"はプロンプト)

C:\freesoft>dir クリップ*
C:\freesoft のディレクトリ

2009/06/01  00:00    <JUNCTION>     クリップボード

といったように、通常のフォルダであれば、<DIR> と表示される箇所に <JUNCTION> と表示される。

また、「リンク作成シェル拡張 for Windows 2000/2003/XP」をインストールした場合は、エクスプローラ上でジャンクションを識別できるように以下の拡張が行われている。

  1. フォルダのアイコンの左下に「ショートカット」に似た矢印が付く
  2. 「リンク先」欄にリンク先が表示される

なお、2の「リンク先」欄をエクスプローラに表示させるためには、 ファイルメニューの[表示]→[詳細]で詳細表示モードにしてから、「名前」などのタイトル部を右クリックして現れる表示項目選択メニューで、「リンク先」にチェックを入れる必要がある。なお、ハードリンクの確認用として、前回の記事でも説明した「リンク数」の表示も可能である。(下図参照)

Junction_2

Junction_3

下図はエクスプローラでの、ジャンクション(1行目)、ボリュームマウント(2行目)、ハードリンク(4行目)の表示例である。

Junction8

 

最後に、Vistaの場合について補足する。

前回と今回の記事に関連した内容での、Vistaの場合の差異をざっと挙げると以下のようになる。

  • 「ホンモノのシンボリックリンク」がサポートされた。(以下、単に「シンボリックリンク」と記す。)
    ジャンクションと比べて、以下のことができるらしい。
     - フォルダだけでなくファイルにも使うことができる
     - ネットワークドライブやUNCパスにも使える
     - 相対パスが使える
  • ジャンクション、シンボリックリンク、ハードリンクを扱える mklink コマンドが新しく実装された。
  • エクスプローラ上で、シンボリックリンクにはショートカットと同じアイコンが表示されるようになった。(ただし、相変わらず操作することはできない。)
  • 「リンク作成シェル拡張 for Windows 2000/2003/XP」は使えない。(ソフト名からの推測であり私は試してはいない。少なくともシンボリックリンクは使えないハズだ。)

mklinkコマンドも悪くはないが、「リンク作成シェル拡張 for Windows 2000/2003/XP」相当のツールが良い人は、Hardlink Shell Extension がお薦めである。(ただし日本語版はないようだ。)

Link Shell Extension
http://schinagl.priv.at/nt/hardlinkshellext/hardlinkshellext.html

使い方や詳しい説明も上のページに載っているが英語だ。
日本語では、以下のページの説明が詳しい。

Hardlink Shell Extension - k本的に無料ソフト・フリーソフト
http://www.gigafree.net/system/explorer/hardlinkshellextension.html

使い方は上のページを参照して欲しいが、ジャンクション、シンボリックリンク、ハードリンクのどれでもエクスプローラ上の右クリックメニューから操作することができる。また、エクスプローラ上で、ジャンクションやハードリンクのアイコンに独自の印が表示されたり、フィルダやファイルのプロパティの画面に「Link Properties」というタブが追加されリンクの情報が表示されるようになる。
面白いのは、「HardLink Clone」や「SymbolicLink Clone」と言うおまけ機能で、あるフォルダ以下のフォルダ構造をそのまま別の場所に通常のフォルダとしてコピーして、ファイルだけは元のファイルのハードリンクやシンボリックリンクとして作成することが可能だ。

Vistaでは、初期導入時から、ジャンクションやシンボリックリンクが色々と張られている。
その1例を以下に示す。

以下は dir コマンドのアウトプット(抜粋)である。このように、ジャンクションやシンボリックリンクには、最後に[]でリンク先が表示されるようになっている。(表示幅の関係で、表示上改行されているかも)
また、"C:\>" などはプロンプトである。

なお、dir コマンドで、あるはずのフォルダやファイルが表示されない場合は、dir /a を試して見るか、
[コントロールパネル]→[システム]→[システムの詳細]→[詳細設定]タブ→[環境変数]ボタン→[環境変数]ウィンドウ 
で、システム環境変数 DIRCMD を作成し、「/a」を設定すると幸せになれるかもしれない。

C:\>dir
C:\ のディレクトリ

2006/11/02  22:02    <JUNCTION>     Documents and Settings [c:\Users]

ということで、XP にあった [C:\Documents and Settings] は実フォルダではなく、 [C:\Users] へのジャンクションに変わっている。
また、[C:\Users] を覘いてみると・・・

C:\Users>dir
C:\Users のディレクトリ

2006/11/02  22:02    <SYMLINKD>     All Users [c:\ProgramData]
2006/11/02  22:02    <JUNCTION>     Default User [c:\Users\Default]

All Users や Default User は、それぞれ シンボリックリンクとジャンクションである。

何故に、このようにリンクを張っているのか(互換性の為とも聞くが、そもそもなぜフォルダ構造を変えたのか)、シンボリックリンクとジャンクションはどのように使い分けているか、など、素人の私では検討もつかない奥深さが満載だ。

実は、たいした理由はなかったりして・・・

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2009年6月 9日 (火)

Waterfront の傘

最近、梅雨入りも近くなり、雨も多くなってきた。
今日は傘の話である。

私は不意の雨に備えて常時折り畳み傘をカバンに入れて持ち歩いている。それが可能になった(苦にならなくなった)のは、数年前に駅ビルの雑貨屋で waterfront というブランドのポケフラットという傘を見つけてからである。

ポケフラット - NOUVEAU(ヌウボー)というお店のHPから
http://www.villagestore.jp/nouveau/pocketflat/

Pocke_flat

この傘のすごいところは、常時携帯というニーズに対し、「傘はたたむと丸い」という固定観念に囚われず、薄べったい板状にしてしまったことだ。確かに、私のように、ある程度の大きさのカバンを持ち歩くサラリーマンにとっては、サイズが少々大きくても薄いほうがカバンに収まりやすい。
更に驚きなのは、これで定価が \525 という点だ。この薄さにこの価格であれば、何回か使用した後壊れても惜しくはないと思える価格設定だ。

私はもう3年以上は愛用しており不意の雨のとき何度もお世話になったが、少々のガタはきているものの、まだ十分使える状態であるということから、なかなか作りも悪くはないと言える。

とは言っても、ポケフラットは常時携帯用、すなわち不意の雨用の傘なので、サイズは親骨長50cmと小さく、強い雨の時は流石に厳しい。そのため、朝から雨だったり日中から雨が降りそうなときは、通常の長傘を持ち歩いていたのだが、私の場合、置き忘れる確率が非常に高い上に満員電車の中で邪魔になって仕方がない。

最近出勤時間を少しずらしたため電車の混雑度がアップしたことで、ついに意を決して、大き目の折り畳み傘を探すことにした。長傘でも親骨長70cmで大型と言えるので、「70cmの折り畳み傘」をターゲットにwebで探してみた。
このサイズの折りたたみ傘はそんなに種類があるわけではないが、1万円以内で数種類は見つけることができた。中には自動開閉機能付きのものもあったが、とりあえず NOUVEAU(ヌウボー)というお店のショッピングサイトにある傘を買うことにした。

三つ折70cm/ブラック/無地(NOUVEAU/ヌウボー オンラインショッピング)
http://www.villagestore.jp/nouveau/big70/002302.html

Cat70cmbanner

決め手は、1050円と断トツに安いということと、店が新宿にあるので直接買える(早いし送料がいらない)という点である。

店は新宿ペペ2階ということであったが、西武新宿の駅構内の小さな雑貨屋といった感じだ。色は3色しかなかったが、とりあえず黒をゲットした。
で、買ってみて驚いた。waterfront だったのだ。(後でよく見れば、NOUVEAU のサイトにも書かれてあった。)
実際に手にして見ると、さすがに70cmサイズだけあってかなり厚みはあるが重さは見た目より軽い。骨は7本なので耐久性は少し不安だ。
先日の雨で早速使ってみたのであるが、やはりサイズが大きいと安心感が違う。これから雨のときは、長傘に代わって活躍してくれそうだ。

それにしても、ポケフラットと言い、70cmの折りたたみ傘と言い、 waterfront ブランドは侮れない。
メーカーは シューズセレクション という傘専業メーカーで、HPによれば年間1億2000万本といわれる日本の洋傘市場の約14%を押さえているらしい。

シューズセレクション(Shu's Selection)
http://www.water-front.co.jp/

以下の船井総研のページにシューズセレクションの社長の話が載っているが

  • 都市生活者の傘の使い方に着目
  • 良い傘を安価につくることにこだわり続け「100円の飲み物を砂漠の真中で80円で売るような驚きを傘の分野でお客さんに与えたい」

といった着眼点やポリシーが書かれており、「良いものを企画して驚くような価格で提供する」という考えは、まさに傘業界のユニクロ、ニトリといった感じだ。

社員30人の企業が日本の傘市場の17%を獲得(シューズセレクション) | 船井総合研究所 経営コンサルタント
http://www.funaisoken.co.jp/site/column/column_1181114459.html

ただ、カジュアルファッションやホームファッションに対し、傘は市場が限られているので、日本の市場を独占したとしても売上げは1億本×500円=500億円止まりだ。
だが、コンパクトな折りたたみ傘は、海外、特にヨーロッパなどでは結構市場があるような気がする。(調べたわけではなく感覚だが・・・
ポケフラットや更に小さいスーパーポケミニなどは、色もカラフルに展開しており、この価格であれば、イギリスの Boots あたりに置けば飛ぶように売れるような気がするのだが・・・・

【2009年7月19日追記】
実は、70cmの折りたたみ傘は、この後数回使用したところで壊れてしまった。(==>その報告はココ

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2009年6月 6日 (土)

ジャンクションを使ってみる(その1)

2月15日の記事「ToClip と Truecrypt」で、暗号化ソフトの Truecrypt を紹介した。当然、私も普段使用しているのであるが、暗号化領域は個別のドライブレターが付いた仮想ドライブとして認識されるため、その点で少し使い難さを感じることがある。

具体的にどういうことかと言うと、例えば、私はフリーソフトは、C:\freesoft フォルダ以下にジャンル別のサブフォルダを作り、その下に置いているのであるが、2月15日の記事でも書いたように、例外としてクリップボード拡張ソフト「ToClip」を含むクリップボード関連のソフトだけは暗号化領域にインストールしている。従って、他のフリーソフトは全て C:\freesoft\ジャンル名\ の下にあるのに、クリップボード関連だけは(暗号化された仮想ドライブを Q とすると)、Q:\クリップボード\ の下にあるという少し気持ちの悪い配置になっている。
何とか全て C:\freesoft\ジャンル名¥ の下に統一する方法はないか?と思ったのがそもそもジャンクションを使い始めた動機である。(このような動機でジャンクションを使うのはむしろ少数派で、通常は、ディスク容量が足りなくなって外部ディスクを増設したときに、それらの増設領域を現行フォルダ以下にシームレスにつなげる目的で使用する方が多いと思う。)

これをWindowsで(正確には「NTFSファイルシステム」で)実現する方法の1つがジャンクションである。とは、言っても、暗号化する以上、ファイルの実体は Q ドライブに置くしかない。そこで、Q:\クリップボード フォルダ以下のサブフォルダやファイルに、C:\freesoft\クリップボード からでも同様にアクセスできるようにする方法がジャンクションである。(UNIXでいう シンボリックリンクである。)
また、この仲間に ハードリンクやボリュームマウントというものもある。
ハードリンクは、ファイルに対して別名をつけるものであり、UNIXでも Windwos(NTFS)でも利用可能である。また、ボリュームマウントは、例えば上で言う Q などのボリューム全体に、別のボリュームの特定のフォルダ以下(例えば、C:\Qfolder 以下)からアクセスできるようにする(フォルダ以下にぶら下げる)ものである。

厳密には、ジャンクションは シンボリックリンクとは違うものらしく、事実、Vista から、ジャンクションとは別物の 「ホンモノのシンボリックリンク」が導入されたとのこと。これらの違いなど詳細については、emk さんの以下のページが詳しい。

リンク/ジャンクション作成ツール
http://homepage1.nifty.com/emk/symlink.html

余談ではあるが、ジャンクションと(NTFSの)シンボリックリンクはどちらも NTFSの りースポイント(reparse point)という仕組みを使って実装されているのだが、私は最近までこれを リースポイント(reverse point)だと思っていた。リバースポイント(reverse point)でググっても結構引っかかるので、私以外にも勘違いしている人は多いようだ・・・

以下に、ハードリンクやジャンクション(このレベルでは、シンボリックリンクも同じ)のイメージと特徴を図で説明する。(あくまでもイメージなので細かいところに突っ込まないように・・・

NTFSファイルシステム

NTFSファイルシステムでは、MFT(マスターファイルテーブル)という領域内のレコードで、フォルダやファイルを1つづつ管理している。1つのレコードには、フォルダ名やファイル名の他にそれらの各種属性情報や、フォルダであればサブフォルダのレコードへのポインタ、ファイルであればファイルの実体のある外部クラスタ領域へのポインタ(インデクス情報)を保持している。
下図のように、各ボリュームのルートからこれらのポインタをたどって行くことで目的のファイルを探し当てることができる。

Ntfs_1

ハードリンク

ハードリンクというのは、MFTの中に、同じファイルの実体を指す、別のレコードを作成することで実現している。これにより、同じ実体が、異なる複数のパスおよびファイル名で参照されることになる。ファイルの実体側では、いくつのレコードからリンクを張られているかという数(リンク数)を管理しており、最後の1つのファイル(レコード)が削除される時に実体が削除される。なお、下図の点線は、外部クラスタ領域のインデクス情報によるリンクなので、他のボリュームの外部クラスタ領域にリンクすることはできない。すなわち、ハードリンクは、同一ボリューム内でのみ可能という制約がある。

Ntfs_2

ジャンクション

ジャンクションは、MFTのレコード中に別のパスの情報を記録しておき、そのパスへ強制的にリンクさせることで実現している。下図の例では、Q ボリューム内に実体のあるファイルに、C ボリュームからのリンクを作成している。ハードリンクと異なり、リンクされた側では「リンクされたこと」を管理してはいないので、この状態で、Q:\xx\yy フォルダを削除することも可能である。削除後に、C:\aa\bb\cc にアクセスすると「リンク先がない」旨のエラーとなる。
なお、エクスプローラで Q:\xx\yy フォルダを削除すると、それ以下のサブフォルダやファイルが削除されることは当然であるが、C:\aa\bb\cc フォルダを削除しても Q:\xx\yy フォルダ以下のサブフォルダやファイルが削除されてしまうので注意が必要だ。(マイクロソフトは「仕様」というのかも知れないが、限りなく不具合に近い代物だ。)
安全にリンクだけを消すには、DOS窓からRMDIRコマンドを使用する、次回の実践編で紹介するフリーソフトを導入する、などの手がある。(Vista からは、エクスプローラでの削除もOKになったようだ。遅すぎるぞ、マイクロソフト!!)

Ntfs_3

さて、長々と、ジャンクションやハードリンクの説明を書いたが、驚いたことに Windows では、これらをまともに使える手段が標準では提供されていない。そこで、フリーソフトの登場となるのであるが、これら実践編は次回と言うことで。

では。

【2009年6月13日追記】
その2 実践編をアップ。→ココ

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