我が家のマルチメディアポート
私が今の家を建てたのは2002年である。それまでは借家住まいだったのだが、それなりに歳もとったので一発奮起した。
買ったのは建売ではなく建築条件付土地というものであった。建築条件付土地というのは、家を建てる業者が決まっているという条件の下で土地を買う契約形態だ。
建売などを作って売っている地方工務店(の一部)は、良い土地が仕入れられれば、建売で売り出す前に(または、売り出し準備と並行して)、まずは建築条件付土地として売り出す。建築条件付土地の方が、建売と違って売れ残りリスクがないからである。それで一定期間売れない場合は、建売に方針変更するのだ。
買い手から見て建築条件付土地のメリットは、間取りや仕様・デザインなどを好きに選択できるということだ。(もちろん、その工務店の技量とセンスの範囲内でということになるが・・・)
基本的に、間取りや住宅設備の仕様は妻に任せたのであるが、私はとりあえず宅内LAN配線だけはやっておこうと思った。それまでの借家では、ダイヤルQ2のプロバイダを利用していたが、引越しを機会にADSLによる常時接続にすることも決めていた。
宅内LANの情報をwebなどで調べた結果、情報関連機器は1ヶ所に集め、そこから全居室へCD管(ケーブル類を通すためのチューブで以下の写真の橙色のもの)を通してケーブルを配線するスター配線の形態をとることにした。問題は肝心のスター配線の中心部分をどうするかだ。
当時、構成部材は個別に探せばそれなりに見つかりそうであったが、システム的に売り出していたのは、私の知る限り、松下電工(今のパナソニック電工、以下、電工と記す)のマルチメディアポートだけであった。
配線計画(マルチメディア対応配線システム) | マルチメディアポート
http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/haisen/internet/product/equipment.html
値段は高いのだが、納まりの良さに惹かれて、これを採用することにした。
工務店が電気関連工事を依頼している電気工事屋に機器番号と設置仕様を説明したところ、見積もりは工事費込みで 20万弱であった。不思議なもので、家の各種仕様決めの時であったので、高いと思わず(金銭感覚が麻痺しています )発注した。それで、できたのが以下である。
設置当初(宅内配線のみ済みで外部未接続)
各部屋に設置した情報コンセント(右上が電話、右下がLAN)
現在(ADSL利用中)
左の黒い箱は、富士通アクセスの ADSLモデム FA11-W5、その右から順に、TVブースタ分配器、LAN端子台×2、スイッチングHUB、電話線端子台×2となっている。
電話線にアルミ箔を巻いているのは、2年前に Nifty(Acca12M) から So-net(Acca12M) に変えたときに、IP電話の通話品質がかなり悪化したので、苦し紛れにやった対策の跡。この効果は全くなく、結局速度調整でやっとまともに使える状態になった。
私は、ADSLモデムをマルチメディアポート内に設置しているが、これは電工の推奨ではない。電工の標準設置方法は、マルチメディアポートから一旦1つの部屋(コンセント)まで電話線を出し、そこでADSLモデムにつないで、そこからLAN信号をマルチメディアポートのHUBに戻して各部屋に分配する方法だ。(下に貼ったイラストの右半分を参照)
しかし、これだと、マルチメディアポートで集中管理している意味が半減するため、当初から今のやり方で計画し、そのためにフリースペースが一番大きくなるように最大サイズのボックスを選択した。設置当初はモデムの排熱が気になったが、予想以上に熱は出ず、未だに中の機器が故障したことはない。(後述する1機種を除いては・・・)
現在、電工は、マルチメディアポートに加え、新たにマルチメディアポートS を売り出している。マルチメディアポートSでは、最初から モデム類と同じ場所に置く(内蔵ではない)ことを想定して設計されている。
なお、どうみても不要と思えるLAN端子台はマルチメディアポートSでは廃止されている。
以下は、電工のHPにある2つの機器の設置例である。
さて、これから話は 「問題の」スイッチングHUB の話に移る。
スイッチングHUBは、ちょうど私が設置する頃に発売された100Mまで対応した最新型であった。
設置当初と現在のスイッチングHUBの写真をよく比べて見ると、少し違っているのに気付くだろうか? 実は、今のスイッチングHUBは3代目である。初代の型番は WTJ8401、3代目の型番は WTJ8401K で、よく見ると後者にだけ右側の突起部の上下に廃熱用のスリットが入っている。
私の場合、まず、設置後3年程度で電源ランプが点かず通信できない状態になった。保証期間も切れていたので、自分ではずし、説明書に載っていたサービス窓口会社(電工ではない)に電話したが、この機種は「個人からの直接の修理依頼は受け付けない」ということで、やむなく近所のNationalのお店へ持っていった。修理期間が3週間程度、修理代は約1万円であった。
修理戻り品は、渡したものと明らかな別物(新品ではなさそう)だったが、残念ながらスリットが入っていたかは記憶がない。とりあえず自分で設置して3年程度使用したところで、再び故障した。また、1万円取られるのはつらいので、市販の2-3000円のスイッチングHUBに変えようかなと思っていたところ、web上で耳寄りな情報を目にした。
このスイッチングHUBは熱対策ができておらず、数年で故障する事例が多発しており、電工に電話すれば無償で交換してくれるというものであった。
※当時、誰かのブログにこの故障報告のコメントが大量にぶら下がっていて私も書き込んだのであるが、今、それを探しても見つからない。何故なんだ
早速、電工のお客様窓口に直接電話。折り返し、地区のサービス担当(別会社?)から電話がかかってきて、数日後に交換に来ると言う。とりあえず「故障事例は多数あるらしいので製品に問題あるのでは?」というジャブを打っておいたせいか、当日は妻が対応したのだが、修理代のことは触れずに帰ったとのこと。とりあえずは助かった。
製品に問題があるとは言え、保証期間を過ぎた製品を訪問修理で無償交換するスタンスはなかなかのものだと思う。この点は、電工が、家電メーカーというよりも住宅設備メーカーであることからきているのだと思う。
横道に逸れるが、自分の体験でも、自宅に設置した電工の住宅部材に異変が見られたときにHPのお問合せ欄に書き込んだことがあるが、すぐに様子を見に来てくれた。(この件自体は私の完全な誤解で電工に全く非はなかった )
以上、とりあえず、電工を「よいしょ」してみたが、やはり WTJ8401 の件では、保証期間程度は乗り切れるとは言え、公表/リコールもののような気がする。実は私的には代替の WTJ8401K も結構ヤバイのではないかと内心疑っているのだが・・・
ということで、現在、3代目の WTJ8401K が動いているのだが、既に1ポートはお亡くなりになっている。果たして、今年の夏は乗り切れるのか? 続報を待て! といった感じであるが、さすがに今度故障した場合は、市販のHUBを買い、LAN端子台もはずしてHUBに直接接続しようかと思っている。(ちなみに、今であれば、HUBは サイズ・ポートの向き・価格面で PLANEX の FX-08Mini が良さげな気がする。)
いかん、早くもLAN用の圧着工具が欲しくなってきた・・・
ところで、今、電工のHPを見ると、スイッチングHUBが代替わりしようとしているようだ。
まず、知らないうちに、ギガビット対応が発売されていた。WTJ8501 定価36,750
また、「問題」の WTJ8401K は 2009年9月生産終了予定で、同じ「10/100MスイッチングHUB」の「省エネタイプ」 WTJ84019(定価15,540) が 同月に発売予定らしい。
「省エネタイプ」って・・・・・
【2009年11月8日追記】
プロバイダを変えたことによって、マルチメディアポート内のモデムも変更。
興味ある方は「So-net から 2年ぶりに nifty へ戻ってみた」を参照。
【2011年9月3日追記】
何と、我が家のHUBが 「省エネタイプ」WTJ84019 になった。
そのいきさつは、「我が家のマルチメディアポート ~ついに省エネタイプになった~」で。
【2013年2月16日追記】
ギガネットワーク化に向けて事前検証を行ったので、興味のある方は「宅内LANギガ化計画 ~ その1 事前検証編」へどうぞ。
【2013年6月1日追記】
やっと宅内LANのギガ化を完了した。興味のある方は「宅内LANギガ化計画 ~ その2 実行編」へ。
【2019年1月12日】
マルチメディアポートの電工のリンク切れを修正。
現時点では、[マルチメディア]ポートALL ギガ という名称のようだ。
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